U博土は、東京の某大学病院の院長です。
彼はある日、往診をたのまれ、寝ている老女を診察しました。
そして、レントゲン検査のために、翌日病院にくるようにとの指示をしました。
診断の結果は、軽い心臓性喘息と胃潰瘍ということになりました。
そこでU博士は手術のために入院をすすめたのでした。
この患者は、それっきり病院に姿を見せませんでした。
そして、半年後にその娘さんがU博士をたずねて、病気がなおったことを告げました。
彼はそのいきさつをたずねて、桜沢如一氏の指導による「玄米正食」がきいたことを知りました。
U博は、栄養に関する無知という弱点をつかれ、とうとう桜沢氏に傾倒することになったのです。
そして、玄米正食の解説書を書いておられます。
桜沢氏の考え方およびそれに対する批判は、私の「健康食総点検」に徹底的に論じてあ
ります。
一言でいえば、それは全く非科学的なものなのに、それが見事にU博士の弱点をついたものでした。
桜沢氏の影響はヨーロッパに及びましたが、私の訪佛にはその尻拭いの意味がありました。
栄養学上の弱点は命にかかわります。健康食品は、弱点につけこむものであってはなり
ません。