生活科学の存在理由
人間の生活のなかの、衣食住の名でよばれる要素は、自然環境として、われわれからひと時も切りはなせないものとなっている。
また、人間の生活のなかの、生命とか人生とかの名でよばれる要素は、生活者であるわれわれの主体の、最も重要な内容となっている。
したがって、生活科学という科学は、衣食住のよび名のもとに存在する事物現象と、主体の内容との関係を追求する役割をおわせられた科学であると考えるべきである。
そこで、生活科学は、生活の周辺を対象とする科学ではなく、生活のなかの科学であるということになる。