三石巖の分子栄養学講座④メグビーインフォメーション 一部抜粋) | 分子栄養学のススメ

分子栄養学のススメ

分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

「DNAは十人十色」



私たち人間のなかまを見ると、背の高い人もあり、背の低い人もあり、丸顔の人もあり、角ばった顔もあり、外見上の特徴となる要素は数えきれないほどたくさんあります。
私たちはまた、この外見上の特徴が、多少とも親ゆずりであることを、よく知っています。結局、これらの要素に、遺伝がからんでいることを認めない人はいないでしょう。
ここにとりあげた問題は、外見上の個体差というものです。その個体差が遺伝子レベルのものであることを、ここではっきりしたいと思います。遺伝子は、DNAという名の分子の上にならんでいるものですから、遺伝子レベルというかわりに、DNAレベルということができます。これからあとに、DNAということばがでてきたら、それは、遺伝子の意味、遺伝子群の意味にとっていただきましょう

十人十色という伝承があります。これは、十人の人を集めれば、からだの形も、顔の形も心のすがたも、十色になることをいっているのです。それはつまり、人間には明白な個体差があるという事実を述べたことになります。それは、人間の遺伝子が、いやDNAが、十人いれば十色だ、というのと同じことになります。
外見上にこれだけのはっきりした個体差があるというのに、からだのなかの臓器に、あるいは細胞に、個体差がなかったとしたら、おかしいものでしょう。


一昨年のことですが、私の弟が皮膚の移植手術をうけました。移植した皮膚は彼のものでしたが、もしも私の皮膚を使ったとしたら、成功の可能性は、まずありません。
皮膚は親ゆずりだから、兄弟のそれは同じでよさそうなものですが、それがそうではありません。皮膚の遺伝子DNAに、ちがいがあるからです。
私の親は、私にも弟にもDNAをゆずりました。ところが、そのゆずる過程に突然変異がおきました。私がもらったDNAは、親のものを多少もじったものになっています。弟もそうですが、そのもじる形がちがうので、私と弟とで、DNAがちょっぴりちがいます。それが皮膚にあらわれたから、兄弟で皮膚の実質がちがうことになるのです。
DNAのちがいは皮膚にあらわれるだけではありません。全身にあらわれます。私のからだのどの部分も、弟に移植するわけにいかないのです。




megv. information vol.6 1983