こんばんは、ココアこと田中貴子です。

 

 

「ナルニア国物語」「指輪物語」と並んで、世界3大ファンタジーとして知られる「ゲド戦記」をご存知ですか?

 

 

「ナルニア」は大学の卒業論文に選んだ程ハマったし、「指輪」シリーズも映画は全て2・3回ずつ観るほど夢中になったのに、なぜか「ゲド戦記」は難しそう・・・と敬遠したままでした。(2007年の宮崎吾郎監督で映像化されましたが未見)

 

 

宮崎駿さんや萩尾望都さんも影響を受け、もしかするとスターウォーズも?

 

 

そんなその後のクリエイティブな世界のベースになった「ゲド戦記」の原作に惚れ込み、翻訳された清水真砂子さんの本を紹介します。

 

 

本書は、清水さんが短期大学で教鞭を取られた頃の実感もこめられた、若い世代に向けたエッセイです。


「大人になるっておもしろい?」 清水真砂子 著 (岩波ジュニア新書)

 

章ごとのタイトルも、「かわいい」を疑ってみない?、 怒れ!怒れ!怒れ!、ひとりでいるっていけないこと?と、少し見渡すだけでも、ちょっと刺激的です。

 

この本は、大人がこうあってほしいと願ってしまう『理想の子ども』像~

明るく元気で、いつも挨拶を忘れず、分け隔てなく気配りもできて、友だちからも慕われて・・・のいい子なんて幻だ。

そんなことなんて無理だと思ってる人。

 

 

納得してないのに謝るとか許すとか、本当はしたくないと思ってた人。

 

 

好きでもないグループで行動するくらいなら、1人がいっそ気楽でいい人。(女子ならトイレに連れ立ったかどうか、思い出してね)

 

 

あるいは親から周りから期待されて、認められたくて努力したけれど、疲れちゃった人に響きます。

 

 

というか・・・大人(主に親)の言う通りにしていればいいんだに、矛盾が生じたり、悩むのは当たり前なのよね。

 

 

そこにこそ、自分らしく生きるための大人の扉が開かれるのに。

 

 

悩んでいるのはおかしい、苦しいし、人から暗いと思われてしまうで切り捨ててしまうのは、本当にすごくもったいないです。

 

 

私もかつて、友だちが多い人は魅力的でいいなと、話題豊富になろうとしたり、明るく笑顔を絶やさないようにと頑張った時期がありました。

 

 

でもねぇ・・・バレないように、嫌われないように、おどおど、くよくよ、イジイジ、ぐるぐる考えては止まらない暗い自分がいて、その子が出て来ないようにと抑え込んでいるのは、しんどいばかり。

 

 

本当の自分の醜いところを知られたら、おしまいだ~と怖がっていたし、ダメな自分を叱咤してました。

 

 

やがて、長い長い心の旅路を経て、明るくユーモア大好きなのも、生真面目に深く追求しまうのも、いい悪いなく、自分そのもの。

 

 

偽物とか本物とかなく、どれもが私を形作ってるパーツなんだと思えたとき、全てが繋がりました!

 

 

清水さんも悩んだときに本で沢山気づきをもらった経緯がある方なので、このエッセイの文中でも幾つか紹介され、巻末にも出会ってほしい作品リストがまとめられています。

 

 

心に残った一節を少しだけ紹介させてくださいね。(いいなと思ったところ、色字)

 

自分自身の内なる声を聞くことができてこそ、他者の気持ちを推し測ることができ、その声に耳を傾けることができると思いますし、自分自身との対話ができてこそ、他者との対話もできると思うのです。

いや、もしかしたら、その逆かもしれません。

他者の声に耳を傾けることができてこそ、自らの声に耳を傾けることができる。そんな気もしています。

闇があってこその光、悲しみがあってこその喜びがあるはずなのに、闇も悲しみも最初からあってはならないもの、避けられるべきものとして遠ざけられてしまう。

このことの不幸を思います。

悩むこと、悲しむことができなくて、どうして決意して一歩を踏み出すときの、あのさわやかな緊張や喜びをわがものとすることができるでしょう。

・でも、私はやっぱり違和感は大事にしたい。

違和感を放棄してしまったら、私は考えるのをやめ、考えることをやめたら、自分が自分でいることができなくなりますもの。


私も若いときに、こんな直球なメッセージに出逢ってたら・・・もっと楽だったかもなぁ。

 

 

それでも今だからかな、人生の応援歌のように深く染みます。

 

 

きっかけをくださったのは、ブログを通じて仲良くなった、ロンドン郊外で暮らしているラーセン朋子さんからの「Eテレでもうすぐ始まる、この番組みて!」のメールでした。(詳しくはリブログした↓の記事をご覧になってくださいね)

 

 

朋子さん、直メールくれる情熱にシンパシー感じて、よかったです。

 

 

視聴してから2週間、鋭い感性に潔い表現に惹かれ、付箋紙貼りまくって再読しています。

 

 

読んでくださって、ありがとう。