「国立市のフルインクルーシブ教育を考える会」に参加してきました。
このブログでも度々書かせていただいているのですが…
国立市は「フルインクルーシブ教育を目指す」ことを掲げ、歩み始めました。
「フルインクルーシブ教育」とは、障害のあるなしにかかわらずすべての子どもたちが同じ教室で共に学び、共に生活することをめざす教育です。
私は「フル」ではないインクルーシブ教育については、議員になって以来、スマイリースタッフの増強をはじめ、長いこと提唱しつづけてきました。
それは、「通常学級に通いたい」と考える子ども(や保護者)の選択肢を増やし、当人が最も居心地の良い学びの場所を見つけてほしいからです。
ありがたいことに、現在は30名を超えるスマイリースタッフさんが市内の小中学校で活躍してくださっています。(教育委員会に感謝!!!です)
ところが…
この「インクルーシブ教育」と「フルインクルーシブ教育」では、全く意図が違ってくるのです。
「フルインクルーシブ教育」は、どんなに重いしょうがいがあっても「同じ空間でみんなといっしょに学ぶこと」が前提となります。
その昔…
重いしょうがいを持つ子どもは「就学猶予」や「就学免除」の名の下に、就学の機会が保障されていませんでした。
それが、1970年の養護学校義務制の実施により、全ての子どもが等しく学校教育を受けられることが保障されることになったのです。
この法律改正そのものは素晴らしいことだったのですが…
この「義務制」の運用で、子どもたちを「判別」することになり、子ども自身や保護者の意に反した別学が行われるようになってしまうという問題も起きました。
もちろん、今ではそのような無理強いは行われず、国立市では子ども自身や保護者の意見を尊重しながら就学相談を行っていると聞いています。
就学相談を丁寧に行うなかで…
(これは全国的な傾向ですが)特別支援の学級が増えて行くことになりました。
私は、これも決して悪いことだと思っていません。
親が子どもに最適な教育を受けさせたいと思うのは当然の権利ですから。
私の息子も養護学校で、それはそれはスペシャルな素晴らしい療育を受けさせていただきました。(今でも養護学校に足を向けて眠れません!)
もちろん地域で差別されるようなことはいっさい無く、近所の小学生たちが遊んでくれたり車椅子を押したり…
たくさんの方に支えられて生活をしていました。
なので…
今日の会では疑問に感じることが多かったです。
ここで詳細は書きませんが…
悲しく感じる場面もたくさんありました。
養護学校でスペシャルな教育をいただいた幸せな学校生活を知っているので…
「みんな一緒に同じ場で学ぶ」ことの優位性が見つけられないのです。
「分けることが差別」という先生の言葉にも違和感を覚えました。
1970年代の分離教育の思想は、とっくの昔に無くなっているからです。
文科省は「特別支援教育をめぐる制度改正」を重ねてきました。
今は、一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できるよう、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある多様な学びの場の整備を行っています。
これを踏まえ…
国立市のフルインクルーシブ教育は、丁寧に進めていただきたいと思います。
ご興味のある方は、コチラをご覧いただければ幸いです。
長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました(*^^*)