今日は、国立市議会の総務文教委員会。

担当する委員会ではありませんが、しっかり傍聴させていただきました。

 

今回は、5本の陳情が提出され…

 

なかでも気になっていたのが、「都立高校入試へのスピーキングテスト導入も延期および再検討を求める意見書の提出を求める陳情」

 

令和5年の春に高校進学を予定する中学3年生を対象に、今年の11月に行われるのが、英語のスピーキングテスト。
その結果を都立高校の入試の総合得点に加算することが発表されています。

 

グローバル人材の育成を図るために「英語で話す力を身につけてもらう」ことが狙いと言われていますが、その導入には様々な課題があると思っています。

 

提出された陳情にも、その課題について細かく記載されていました。

 

そもそも…

「スピーキングテスト」とは、具体的にはどんなものなのでしょう?

 

令和3年度にプレテストとして都内の中学3年生に実施されたとのことなので…

出題問題を見てみました。

 

例えば、コチラの問題…

 

あなたは、セール商品のポスターを見ています。画面上のポスターの情報をもとに、欲しい商品を一つ選び、それを買うために知りたいことを店員に尋ねてください。

 

 

考えるための準備時間は10秒

解答時間も10秒です!!!

 

 

そして、もう1問…

 

あなたは、昨日あなたに起こった出来事を留学生に話すことになりました。

イラストに登場する人物になったつもりで、相手に伝わるよう英語で話してください

 

 

考えるための準備時間は30秒

解答時間も40秒です!!!

 

ふだんから英語に馴染んでいない子どもたちにとっては、数十秒で解答するのはかなり難しいのではないかと思いました。

 

私自身も時間内に答えることはできませんでした(^^;)

 

たしかに、誰かと会話するときは、咄嗟に答える能力が必要かもしれません。

日本人がグローバルな社会で活躍するためにも、学生のうちから英語を話す力を養うことは必要です。

 

だけど、高校入試という人生を左右する一大イベントに導入する必要はあるのでしょうか?

 

そもそも、これらの問題に即答できるような英語力が、今の平均的な中学生に備わっているのでしょうか…

 

都内の中学校では、このテストと「ほぼ同じ」と云われる民間企業の教材を授業の中に取り入れている学校もあるそうです。

 

その教材を使って日々練習している生徒と、テストではじめて出会う生徒が、同じ都立高校の入学試験に臨むようなことがあってもよいのでしょうか。

 

平等とは言いがたいこの受験制度には、とてもとても疑問です。

 

何より、来年都立高校を受験する子どもたちが不安になっているのではないかと心配になります。

 

さらに…

痙攣性発声障害など咄嗟に声を出すことが難しい子どものように、このテストを受けることが難しい受験生がいるかもしれません。

 

この陳情に対する市議会の判断は最終本会議で決まりますが…
(委員会では採択されています)

 

東京都は、ぜひ「こどもファースト」で考えていただきたいです!!!

 

 

今夜のブログは、総務文教委員会の熱を帯びたまま書きました。
気になる方は、ぜひチェックしてくださいね。

 

【参考】

東京都立高等学校入学者選抜における東京都中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)結果の活用について