新型コロナウイルスの影響で日程が大幅変更された3月議会ですが…
本日無事に予算も承認され、閉会の運びとなりました。

 

地方議員は、市長や区長と同じように選挙で選ばれた住民の代表です。

 

議会は、首長をトップとする執行機関と対等な立場で行政運営をチェックします。

住民のためにならないと思えば予算案も承認しませんし、議案も通しません!

 

とは言っても、首長の提案をただただ批判するのではなく、市政が滞りなく執行されるように、後押しすることだってもちろんあります。

 

そんな中で、最も厳しくチェックするのが「新年度の予算案」

 

だから3月の議会は、議員にとっても緊張度の高い特別な時間なのです。

 

今回、私たち「新しい議会」は全ての予算に賛成しました。

 

 

その「令和2年予算討論」を以下に書き記しておきますね


※10分間の討論なので長いです(^^;)
お時間と興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

 

会派「新しい議会」を代表して、令和2年度 国立市一般会計及び、各特別会計予算案の賛成討論をいたします。

 

新型コロナウイルスの感染拡大懸念から、世界のマーケットは荒れに荒れ、先週は、ダウ平均株価が2月の高値から35%を超える下落。

日経平均株価も高値から3割以上も急落しました。

 

政府の自粛要請や、各地で起こるクラスター感染などの見えない恐怖により、国内の経済活動は大きく停滞し、国立市内でも飲食店や小売店などから、救済を訴える悲痛な声が上がっています。

 

そんな中で、委員会での予算審議はできませんでしたが、ヒアリングなどを重ね、むしろ深く掘り下げた質疑で、本予算の意図や本質を知ることができたと感じています。

 

令和2年度の予算編成は、一般会計の予算総額が319億7500万円と、過去最大の予算規模となりました。

 

歳入では、市税を0.1%の減と見込んでいますが、消費税増税後の景気動向を考えますと、ここは懸念されるところです。

 

歳出では、待機児童対策として認可保育園の新設に伴う「保育園運営委託料」などの増によって、民生費が10億円を超える増額となっていますが、住民福祉サービスが行政の本質と捉えれば、扶助費の伸びは当然のことと受け止め、今後の人口の推移などを見守りながら、財政運営を行うべきと考えます。

本予算案の特徴といたしましては、くにたちの新たな歴史に繋がる、まさに「未来に向けた、魅力あるまちづくり」の第一歩であろうと感じられました。

 

その象徴である「旧国立駅舎管理運営事業」には、恒常的に2600万円ほどの経費が掛かるとのことでしたが、再築された旧駅舎が、国立の魅力をアピールすると共に、訪れた人々に、新たな出会いや交流が生まれる場として活かされるなら、たいへん意味のある経費になるだろうと考えます。

 

永見市長から前向きなご答弁をいただいた旧駅舎のピアノ。

そのピアノが、「文化と芸術のまちくにたち」の新たなシンボルとして、多くの人を集め、「国立ブランド」をより一層、高めるものと期待しています。

 

さらに、まちの賑わい創出の分野では、新規で始める事業として、東京都内では初となる「中小企業支援事業」エフビズに予算を付けていただきました。

これは、事業者個人や個店の売り上げを向上させるための、コンサルティングを行う事業ですが、新型コロナウイルスの影響で疲弊した個店を、どのように救っていただけるのか、ご専門の知識とスキルに、大いに期待するところです。

 

しかしながら、まちの賑わいは、個人の店舗の奮闘だけでは生まれません。行政が、事業者や市民と思いを共有しながら、魅力あるまちの姿を示すことにより、作り出せるものと確信しています。

 

そこで、「都市景観形成事業」では、旧国立駅舎が再築された大学通りの商業地区を、都市景観形成重点地区に指定することも視野に入れて、看板の景観への配慮などのガイドラインを作成するという、たいへん積極的な姿勢を伺うことができました

該当地域のみなさまのご意見を丁寧に聞きながら、話し合いを重ね、より魅力的な国立の景観をつくっていただきたいと思います。

 

子育て政策では、「産後ケア事業」がはじまります。

家族の形態が変わり、共働きが増加していることにより、女性の妊娠、出産は、これまで想定されていた以上に、過重な負担がかかっている可能性があります。

身近な相談者や支援の場が、妊娠期からあることは、たいへん心強く、国立版ネウボラの柱の一つとして、根付くことを期待すると共に、「くにサポ」も含めて、市内市外へ広く周知していただきたいと思います。

これからは、「どこで産むか」「どこで育てるか」が、住居を決める上で重要なファクターとなることは明白です。

 

ハード面での整備と並行して、「幼児教育プロジェクト」などと共に、じっくりと育てていただきたい事業です。

 

高齢者の支援事業として「認知症早期発見支援事業」がはじまります。東京都内ではいくつかの市区ですでに行われている事業ではありますが、年々相談者の件数も増えており、支援に繋がっているそうです。

この事業でたいせつなのは、受診結果を医療機関と市で共有できることです。

ご本人はもちろん、ご家族とも情報を共有して、安心な暮らしを提供できるよう活用していただきたいです。

また、対象は、75歳から79歳ということですが、『くにたち認知症ケアパス』は市のホームページからダウンロードできる資料なので、60歳以上の方は、ときどき自分でチェックしていただき、心配な方は若年者でも相談に来られるような体制づくりと併せて、みなさまへの周知をお願いいたします。

 

令和元年に市内でも被害が起こった、台風15号、19号を受けて、安心安全の確保をより充実させるため、「災害応急対策事業」の予算が計上されました。

避難所機能の強化では、台風や地震に備えるとともに、今回のような感染症対策も視野に置き、これまで備蓄してこなかった薬用石鹸などの衛生関連の物品の購入も検討していただきたいと思います。

 

「都市間交流事業」では、市長がルッカ市への訪問をする予算が計上されています。

昨年、訪日されたタンベッリーニ市長が、旧国立駅舎の再築の様子や大学通りを、たいへん熱心に見てくださっていたことが印象的でした

イタリアは、今、新型コロナウイルスの感染拡大でたいへんな苦境に陥っています。

この事業費が、執行されるか不透明なところではありますが、もしルッカ市への訪問が叶うなら、イタリアのみなさんを励まし、勇気づけるような、実のある交流となってほしいと考えます。

 

特別会計では、「国民健康保険」「介護保険」「後期高齢者医療保険」ともに、事業費が伸びる予想となっています。

介護保険では、介護給付費の「居宅介護サービス給付費」や地域支援事業費の「介護予防・生活支援サービス事業費」の伸びを見込んでいますが、今般のサービス事業の休止などを受け、執行の状況は不透明になりました。

 

利用者の方々の健康維持や状態の悪化が懸念され、せっかく、要介護から要支援へのよい結果が出つつあると思われた流れが逆流しないように、事業所などを通じて、また気になる方には戸別訪問などを行いながら、丁寧な支援をしていただきたいと思います。

 

新型コロナウイルスの感染拡大はまだ先が見えません。

 

その影響も計り知れません。

 

本年度の予算が承認されたとしても、今後の景気の停滞、もしくは後退も視野に入れながら、必要とあらば補正予算を組んででも住民を救うという覚悟と、柔軟な行政運営をお願いして、すべての会計予算案に対する、賛成の討論とさせていただきます。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


本会議のあと、部長たちはそのまま新型コロナ対策会議に向かいました。

この状況の中、職員さんたちは休む間もなく働いていらっしゃいます。
 

この方たちのお陰で守られているのだと実感します。

どうか、ご自身の健康にも気をつけてお仕事されてくださいね。