巷で話題になっている
【老後の資金が2000万円足りない問題】


「報告書が専門的過ぎて読むのがたいへん〜」という方のために
(なんせ金融担当大臣が受け取れないほど難解らしいので)>(^O^;)

私なりの検証をしてみました。

 

先ず、大前提ですが・・・

 

報告書のタイトルは

『金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書』で

ザブタイトルが「高齢社会における資産形成・管理」

 

 

報告書は、金融サービスを提供する関係者向けにつくられたものなんです。

 

ワーキンググループのメンバーを見ても分かりますよね。

 

ですから、これも前提として・・・

みなさんに資産形成してもらうために諮問された報告書だということです!

 

ご存知のように、日本の個人金融資産のうち現預金は約930兆円。

つまり、金融機関に預けっ放し、またはタンス預金となっていて

世の中に出回っていないお金です。

 

日本の国家予算(一般会計)が約100兆円ですから
いかに多くのお金が眠っているかがよく分かります。

お金が出回らなければ経済は停滞したまま。
景気はいつまで経っても浮揚することができません。

 

恐らく・・・

それを打開しようと諮問したのが今回の報告書ではないかと思うのです。

 

なので、先ず書かれているのは現役を退いた高齢者の現状と課題です。

 

少子高齢化の問題はもちろん、認知症の増加による資産管理の課題。
成年後見人制度についてなども記載されています。

 

そして、景気の低迷による世帯収入の低下と支出の低下問題。

ここで出てくるのが、問題のグラフ!

 


(これは、2018年に発表されていた総務省の家計調査のグラフです)

 

無職の高齢夫婦世帯の実収入と家計収支ということなのですが・・・

 

そもそも、実収入が20万円弱しかない家庭で

食費に、月6万4,000円も使うのでしょうか?
交通・通信費に、月2万7,000円も使いますか?

その他の消費支出が月5万4,000円あるので、5万4,000円が不足しますって

なんだかおかしくないですか?

 

このちょっとオカシな支出が30年間続けば、

「2000万円が足りなくなりますよ」というのが、今回の騒ぎの元。

 

よくよく考えれば、ありえないこと。

(ウチだって、食費や通信料はもっと抑えています)>(^O^;)

 

実際に家計を預かっている方たちは、

ワイドショーを見ながら突っ込んでたのではないかしら(笑)

 

つまりこのモデル世帯は、無職で年金生活ではあるけれど、持ち家があって預金もそこそこあるご夫婦が、その預金を少しずつ切り崩しながら、贅沢ではないけどゆとりのある生活をしているという事例なんです。


ふつうの暮らしをしてたら2000万円足りなくなるのではなく、そもそも2000万円以上の預貯金があるご夫婦の事例を載せてたんですね。

(※ましてや、年金崩壊の話は全く関係ありません汗


景気の良い時代にそこそこの企業で働いて、退職時にけっこうな退職金をもらって、ローンを払い終わった家に住みながら少しずつ貯金を取り崩す生活。

これって、昔は割と一般的だったと思うのです。

 

ただね・・・

実際の生活では何が起こるか分かりません。

つつましく暮らしていても、急な出費が必要になることも\(;゚∇゚)/

 

さらに、最近は日本でも雇用形態が変わってきました。
終身雇用は見込めなくなり、退職金制度を採用する企業も減って、その退職金の給付額が減少していることも事実です。

 

だからこそ「できるだけ早いうちから資産形成を行ないましょう」

というレポートでもあるのです。

 

   鉛筆 鉛筆 鉛筆 

 

日本は、学校で金融について学ぶ機会がほとんどありません。


金融リテラシーを身に着けないまま大人になって

「国民みんなで貯蓄をしよう!」

「ローンを組んで住宅を買おう!」

「預貯金もタンス預金も投資に廻そう!」

と、そのときどきの政府の都合によって個人資産を動かしているのが現状です。

 

この報告書は、長寿化に伴い資産の寿命も延ばすことが必要ですと謳っています。

 

「現役期」「リタイヤ期前後」「高齢期」と

それぞれの時期でできることや行なうべきことが書かれています。

 

金融サービスを提供する側の顧客への配慮や徹底したリスク管理にも触れ、誰もが老後を安心して迎えられるような制度設計を提唱しています。

 

75歳以上の高齢者やしょうがいを持つ方への資産管理についても述べられており、決して金融商品を売り付けるための報告書などではないことがよく分かります。

 

金融教育がされないまま育ってきた日本人に蔓延する資産運用への偏見を取り除くためにも、この報告書をうまく使っていただきたいです。

せっかく人も予算も使って作り上げたのですから、なかったことにしないでください。

 

ましてや、選挙の争点になどしないでください。

 

 

人生もライフプランも、お金の使い方もそれぞれみんな違います。

 

報告書は読まなくても、せっかく話題に上っているので

アナタの明るい未来のために、金融について考えるチャンスにしてくださいね。