老後の資金として「年金の他に夫婦ふたりで2000万円の蓄えが必要」とした報告書が問題となっており「参院選の争点に!」なんて見出しが躍っていますが・・・
この話、そんなに驚くようなことですか?
そもそも「老後は年金だけで悠々自適」などと考えていた人はいたのでしょうか。
だって、毎年誕生日には将来自分がもらえる年金額をお知らせする「ねんきん定期便」が届くし、「ねんきんネット」を使えばいつでもその額を確認することができる時代です。
今現在の生活費や、数年後の貯蓄額やローン残高を計算すれば、金融庁の報告書など関係なしに、自分の老後の生活をシュミレーションできるはずなんです。
とうぜん、みんながみんな2000万円必要なわけではないし、優雅で贅沢な生活をしたい人はもっと莫大な蓄えが必要かもしれません。
肝心なのは、老後に自分がどんな生活をしたいのか。
それに合わせて、貯金をするのか、投資をするのか、家を買うのか買わないのか、
自分なりのプランを立てて動くことなんです。
今の年金制度が、現役世代の保険料で支える世代間扶養の仕組みになっているのは、人口減少時代に於ては大きな問題ですが、だからと言って、年金制度は即座に崩壊するものでもありません。
なぜなら、みなさんが支払っている年金保険料は、その積立金を原資にしっかり運用されているからです。
「GPIFが巨額の損失を計上!!!」なんてニュースを目にしたことはありませんか。
GPIFとは、年金の運用を行なっている「年金積立金管理運用独立行政法人」です。
ショッキングなニュースのときばかり話題にされますが、150兆円ほどの資産を運用しており、実は累計で56兆7千億円の収益を出しているんです。
(※2018年第3四半期の速報値)
つまり、みなさんが預けた年金の積立金は、ちゃんと増えているってこと。
年金の仕組みは問題アリですが、保険料を払ったのに年金を受け取れなくなるなんて都市伝説にかんたんに騙されてはいけません。
むしろ、今回のような話題をネガティブに利用して、年金に対する不安を煽ることのほうが大問題だと私は思っています。
こんなニュースで年金加入率が下がったら、いったい誰が責任を取るのでしょうか。
せっかく年金や老後資金が話題になっているので、自分の老後の生活設計を考えてみる機会にしてください。
曇りの予報が意外なほどの青空だった今日の空。(*^^*)
今夜は、フィナンシャルプランナー石井めぐみからの提言でした(笑)