今日はちょっとだけ真面目な経済のオハナシ・・・。

「日本の輸出大国時代の終わり」などという物悲しいタイトルの記事が
ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載されました。

今日発表された2011年の日本の貿易収支は31年ぶりの赤字。
その赤字額は、過去2番目の大きさになりました。
貿易収支とは、輸出額から輸入額を差し引くことで算出されます。
つまり、輸入より輸出が多ければ「黒字」というわけ。
年間の貿易収支は第2次オイルショック後の80年に赤字をつけたものの
それ以来、日本は黒字をキープし続けてきたのです。

戦後の奇跡的な復興を支えた輸出国としての日本。
安いコストで優秀な製品を作り製造業を武器に経済大国になりました。

その日本が、転換点を迎えているというのです。

貿易収支が赤字になったのは、
昨年3月の震災と、世界的な景気の低迷、
さらに歴史的な円高と原油などの資源高が主な要因です。

もちろん、大きな災害が起きたわけですから、
一時的に赤字になるのは仕方がないことです。

ただ実は、
1986年以来、僅かですが
貿易収支の黒字額は減り続けてきました。

以前にも書きましたが、
為替レートの問題がなかったとしても、
日本のハイテク産業などは、海外の新興国にその地位を奪われ、
すでに利益を得られなくなっていたのです。

今回の赤字転落は、昨年の震災後にはすでに予想されていました。
政府も日銀も海外の投資家たちも分かっていたことです。

それでも、今朝の財務省の発表後に
為替レートは円安に動き出しました。
(実は昨日の夕方から動いていたのですが・・・)

今まで日本政府が介入をしてもすぐに戻していた円高が
静かに逆回転しはじめているのです。

これは何を意味するのでしょう。

これほどまでの円高になった要因のひとつは、
「安全資産としての円」という価値があったからです。

イタリアより大きな債務を抱えている日本でしたが、
貿易黒字国であるという事実が信頼性を保証していました。
その保証がなくなったのです・・・。

マーケットは常に新鮮で刺激的なネタを欲しがっています。

円の買い持ちが膨れ上がって、どこかで反転させたかったけど、
材料不足で仕掛けられなかった「円売り劇場」

貿易赤字に転落のニュースは、
相場を反転させるには絶好のタイミングかもしれないのです。

案の定・・・。
今日の日経平均は、絶望的なニュースに反して上昇。
3ヶ月ぶりの高値を付けました。
輸出企業が大きく買われています。

円安に動くことを見越した「買い」でしょう。
(円安になると輸出企業は利益が増えるのです)

日経平均が騰ることも、
輸出企業の利益が上がることも大歓迎です!

ただ・・・。
マーケットは常に「行き過ぎる」ものだということを
忘れないでください。

信頼性を失った日本は、もはや単なる巨大債務国です。

ギリシャやイタリアと同等のレベルです。

日本円や日本株の暴落が来るかもしれないことを
私たちは覚悟していなければならないと思うのです。

でもね。
実はこの材料で円安に進むと、
輸出企業が世界で戦えるチャンスが出てくるので
すると貿易収支は再び黒字に転じるかもしれない・・・という
ちょっと良いシナリオもあるのです。

政府はイマイチ信用ができないけれど、
民間企業のチカラを信じつつ、
今後の展開を見守っていきたいと思っています♪

これは、ドル円の日足チャートです。
さて、このチャートの続き・・・。
アナタはどう動くと思いますか?ニコニコ

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