昨夜のニューヨーク市場で、ドル円が75円78銭という
戦後最高値を付けました。
この円高に対して様々な報道のされかたがありました。

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「欧州の債務危機への懸念から安全資産である円が買われた」
「世界経済へ対する不安からドルが売られた」

私はどちらも間違っているような気がします。

昨夜の円高の主たる要因はドル安です。

実はその時間帯、ユーロドルは上昇を続けていました。
「ギリシャの当面のデフォルトの懸念が後退したこと」による
ユーロの買い戻しです。
欧州懸念があるなら、ユーロが買い戻されるはずはありません。

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ドル売りの理由も景気への不安ではないと思います。
なぜなら、直近で流れていたニュースは
「アメリカの消費が意外に強い」というポジティブな話だったからです。
前日の消費関連や景況感指数は予想より良かったのです。

では、なぜ唐突に円は最高値を更新したのでしょうか。

ひとつは、8月に中国が大量のドル売りを出していたというニュース。
今、世界中が注目しているのは中国の動きです。
5月まで売り越していた米国債の動きが止まったと思われていただけに、
大量売り越しのニュースはインパクトがありました。
当然、中国の動きに準じてドル売りに走る向きもあるでしょう。

もうひとつは、かなりの期間ドル円が狭いレンジの中にいたことで、
ダブル・ノータッチ・バイナリーの参加者が
増えていたのではないかと思っています。
ダブル・ノータッチ・バイナリーとは、
一定の期間内に設定した上下のバリアに一度も価格がタッチしなければ
何倍ものキャッシュを貰えるオプション取引です。
ここしばらく76円~77円台で膠着していたことで、
例えば76円から78円までのレンジを設定しておけば、
無難に勝てる相場だと思われていたと考えられます。

逆に考えると、オプションの売り方(相手側)にとっては、
このままレンジが永久に続けば資産が減る一方になるのです。

チャンスがあればレンジを崩したいと狙っています。

少し前の77円半ばまでの上昇はこの一環かもしれません。
しかし、上に抜けることが難しいと判断したので、
昨夜は下への仕掛けを行いました。
経済指標の発表もなく金曜日で手仕舞などもおこりやすい
云わば参加者のスキを突いた仕掛け。
ストップロスを巻き込んで、あっという間に下がってしまいました。

この動きは確かに「投機」です。
本来、その国の実体経済に見合ったバランスが
保たれなければいけない為替相場ですが、
景気対策のつもりで世界中で増やしてしまったマネーが行き場を失って
理不尽な流れ込み方をしているということ。

しかも「安全資産として円に流れ込んでいる」わけではありません。
思い切った対策をしないであろう日本政府を見越して
「とりあえず円に資金を入れて」いるのです。
つまり都合の良い巨大な貯金箱。

昨夜の動きは投機筋の仕掛けかもしれませんが、
問題の本質は無策の政府と日銀にあるのです。

実は、日銀にも政府にもまだまだ円高対策はできるのです。

とくにインフレを抑えることが至上の命題である日銀にとって、
デフレは大きな問題と感じられないのでしょうか。
コメントも実際の行動も残念ながら十分なものではなく、
政府との連携もとれているようには思えません。

そもそも投機的な取引で円高にされてしまうということが、
いかに「甘く見られているか」を認識しなくてはなりません。
この水準で円を買う人がいるということは、
まだまだ円が高くなると思われているということなのですから。
財務大臣はまたまた「断固たる措置」と言っていましたが、
その本気度を私たちはしっかりと見極めなければなりませんね。

あーーーー今夜は固くなっちゃいました。

さすがにちょっと昨夜の円高はショックだったんです。

頑張れ、ニッポン~~~クラッカー

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