「規制値を超える放射性物質が検出されたため野菜の出荷停止」
こんな報道を見ていたら、なんだか堪らなく野菜が食べたくなって
「農家の台所」に買い出しに行った。

ディーナータイムを避けた、ちょっと早めの時間。

食事の時間帯はほぼ満席になってしまう店内だが、
この時間ならゆっくりのんびり買い物ができる。

とりあえず、今日の目的の「2回だけトマト」と、
井戸サラダをもらおうかな・・・。

「2回だけトマト」とは、生まれてから2回しか水をもらっていない
兵庫県の桃太郎ヨークという品種。
水が少ないから、甘くて味が濃い!

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そしていつもの井戸サラダ。

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カラフルなニンジンや、ソルトリーフ。
春キャベツも美味しいよね。
ちょっと珍しいのは、間引きメロン。
他のメロンを甘くするために間引かれたメロンの子供。

そのままサラダで食べると、これがまた美味しい~!

ふと見ると、大きな籠の中に値段の貼っていないトマト。
「華おとめ」じゃない!
美味しそう~。

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「これ、幾らですかー?」
「このトマト、実は無料なんです」
「えっ、無料?」

「華おとめは茨城で作られてるんですけど、
茨城の野菜は今どこでも引き取ってもらえないので、
気にしない方に食べてもらってくださいって、
農家の方が置いていかれたんです」

えーーーーっ、なんて勿体ない。

「華おとめ」は小さなピンポン玉くらいの小玉トマト。
味が濃厚で甘く、私も大好きな品種。

「トマトなんて出荷停止になっていないでしょ」
「もちろんそうなんですけど、茨城県産ってだけで、
全ての野菜が買ってもらえないみたいです」

そんなバカな・・・。

すぐにネットで調べた。

茨城県産のトマトも放射線量の検査を受けていたが、
ハウス物はもちろん、露地物でも数値には全く問題がなかった。

それなのに・・・。

テレビで風評被害の恐さをあれだけ叫んでいても、
買う側がだいじょうぶって言っていても、
仕入れることすらしないんだ。

とてもとてもショックだった。
私はもちろん気にしないので、大喜びでいただいて帰った。

甘くて、いつもよりちょっと酸っぱい感じがして、
少しだけ胸がジンとした。

「華おとめ」がどれだけ手間をかけ
たいせつに育てられているか、このページを見て欲しい。

「ものづくりを知る!」

そして、もう一度考えてほしい。
私たちに何ができるか・・・。