外宮で透きとおるような気を身体中に採り入れた私たちは、
白みかけた空にドキドキしながら
少し離れた場所にある内宮に向かう。

伊勢神宮とは、そもそも天照大御神を御祭神とする内宮と、
豊受大御神を御祭神とする外宮。
さらに別宮を合わせた125社の神社の総称だ。
全ての神社にお参りするには日帰りでは難しい。

外宮から内宮まで行くだけでも車で20分ほどかかる。

今回は、半日ちょっとで廻れる効率のよいコースを
kemiちゃんがコーディネートしてくれているので
安心して着いて行くだけでよかった。

時間読みにも抜かりがない。

宇治橋のたもとに着いたときには、
川も凍るような夜明け前の寒さ。
$☆幸せのタネ☆-宇治橋のたもと

鳥居の上には三日月が輝いている。
$☆幸せのタネ☆-鳥居と三日月

山の向こうの空が、少しずつ明るくなってきた。
$☆幸せのタネ☆-日の出直前

凍えるような寒さも、身が引き締まるようで気持ちがいい。

「あっ!」
日の出を待ちわびていた人々が、小さく声を上げた。

鳥居の左方から光が零れるように差してきた。
$☆幸せのタネ☆-ご来光1

ご来光!

待ちに待った瞬間だった。
携帯やカメラのシャッター音。

みんな言葉をなくして、その美しさに見入っている。

私はシャッターを切りながら涙を流していた。
「日本に生まれてよかった」
そんなありきたりで陳腐な言葉が、口からこぼれ出た。
$☆幸せのタネ☆-ご来光2

連れて来てくれてありがとう!
晴れてくれてありがとう!

全てのものに感謝したかった。

太陽が昇り切って白く光るまで空を眺めていた。
ずっと立っていたので、さすがに身体が冷え切っている。

「さあ、暖を取りに行きましょう!」
おかげ横丁の赤福本店に向かった。

赤福は300年の歴史を誇る伊勢の和菓子屋さん。
東海方面に来たら、ほぼ100%の確率で買ってしまう、
あの美味しい赤福の本拠地だ。

本店は、おかげ横丁のはずれにあり
なんと朝の5時から営業をしている。
$☆幸せのタネ☆-赤福1

もちろんお伊勢さんに来る参拝者のため。
商売というよりは、心意気。

だって、たった280円で赤福3個と美味しいほうじ茶、
それに暖かい火鉢のサービスを提供しているのだ。

店先では若い女の子たちが火をおこし、
「おはようございます!」と元気に声を掛けてくれる。

冷えきった身体には、何より嬉しい火鉢。
$☆幸せのタネ☆-赤福火鉢

今日2度めの朝ごはん。ニコニコ
$☆幸せのタネ☆-赤福3個

いつ食べても美味しい赤福。
朝一の糖分は脳を活性化させてくれる。
香り高いほうじ茶が、身体中を巡って温めてくれた。
買ってくれば良かったなぁ・・・と、東京に戻ってから後悔。
オリジナルのほうじ茶は隠れた土産物の名品かも。

充分に温まって、さあいよいよ内宮へ出発。
時刻はようやく8時。
今日は一日が長そうだ・・・。