「亡きあとに、その人の偉業を改めて知る」
5月は、印象に残る人の死が多くありました。
父の一周忌に、西城秀樹さんが亡くなられ、彼の死に大きな喪失感を覚えました。
特別なファンでもなく、アルバムなども買うことはなく、何気なくその姿を見続けてきましたが、追悼の際に多くの曲を聴き、どれも記憶に残る歌声で、急にその存在の大きさに気づきました。
人の死を悼む涙…。
ただ涙が溢れる…、涙で気づく、その人の偉大さです。
まだ活躍してほしかった亡き人。
もう一人は、5月2日に亡くなられた加古里子(かこさとし)氏です。
かこさとし氏は絵本作家として知られています。
私は、子どものために買った「だるまちゃんシリーズ」が出合いでしたが、「海」を買った時、その情報の確かさと奥深さに驚かされました。
「只者ではない…」 そんな印象でした。
そして、ファンというより、一目置く存在になりました。
どんな方なのだろうか。
すごい知識、見識…。分かりやすく、自然科学を子どもたちに伝えようとする熱意、根気。
とにかく感服するばかり。
いったい、そのベースには何があるのだろうか。
農業に携わる私にとって、興味深い絵本が「大地のめぐみ 土の力 大作戦」でした。
本名中島哲氏、彼は科学者でもありました。
東京帝国大学工学部応用化学科で学び、昭和電工で研究者としてメラミンやニコチン酸アミドなどの研究をされたそうです。
後に農業で注目されたフミン酸の研究も、昭和30年代に8年間行ったそうです。
お父様が大同肥料株式会社に勤務していたことも、農業近い環境だったのでしょう。
亡くなった父もフミン酸を語っていたことがあり、92歳で亡くなり、同年代で工学部だったことも距離を近くしています。
絵本作家になったのは、セツルメントの活動をしたことが影響したそうで、
私が上京して学業に就いた時に、他校で初めて知り合った人が、セツルメントを行っていました。
懐かしい過去です。
想いを行動に…。
活動する意欲に感化されます…みんな、すごいです。
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