「畑の土は農家の歴史と財産です」
春夏秋冬いつもそよ風-天地返し

人に歴史があります。

どんな環境で育ち、どんな物を食べ、そして、どんな病歴があり、どんな薬歴があるか…。

環境や経験は、人の生き方や考え方の基となり、その人生に大きな影響を与えるものです。


畑にも歴史があります。

どんな土壌か、どんな肥料を施肥したか、どんな作物を栽培したか、そして、どんな病歴があり、どんな病原菌が存在するか。


履歴は、現在と未来の礎となり、その方向性に大きく影響するものです。



春夏秋冬いつもそよ風-白菜畑 昭和50年代、長野県の小諸市から御代田町に続く浅間山の裾野は白菜の大産地でした。

北大井と呼ばれるこの地域は、高原野菜の産地で、今はキャベツ、白菜以外に、レタス、ブロッコリーなどが栽培されています。


当時、連作障害として、「白菜根こぶ病」が産地に広がり、農業技術関係者は、その対策のために様々な取り組みをしたそうです。


特に、興味深い取り組みのひとつに、「圃場カルテシステム」の考え方がありました。


「圃場カルテシステム」は、どの畑で白菜が栽培され、どの場所にどの程度の白菜根こぶ病が発生しているかを記録し、その積み上げによって、できるだけ病害が発生しない条件を判断し、栽培指導をするためのものです。

当時、現地圃場での農業研究に力を注ぎ、土壌病害対策の研究もされていた駒田旦氏(元島根大学教授、タキイ種苗株式会社技術顧問)と、長野県の農業技術者とのプロジェクトは、昭和50年代後半から平成にかけて7~8年続けられたそうです。


コンピュータの開発に伴いデータ蓄積が容易になるため、対策技術の普及を試みる要素になったと思いますが、データ集めは、農地の地図を元に足によって記録するもので、膨大な時間を費やしたに違いありません。

病害対策の追求の大変さを知るだけに、その熱意に頭が下がる思いがします。



畑を借りる場合でも、その環境によって栽培条件や生産性が大きく変わります。

過去の栽培履歴を知ることは、理想的な肥培管理の判断要素になります。

畑は、農業機械についた土が他の畑から運び込まれ、同時に、土壌病害の病原菌が運び込まれることもあります。

作物に共通に発生する「青枯病」のような多犯性の病害は、何年も前に栽培して発生したトマトの“トマト青枯病”が、その後、トルコギキョウの栽培で“トルコギキョウ青枯病”として発病した例もあります。

土壌病害の病原菌は、細菌、休眠胞子や厚膜胞子によって何年も土に棲みついているのです。


個々の畑の履歴を知ることは、これからの栽培をより良くするための必須条件になります。



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