「コツを伝授する…舌と目で伝える味」
梅漬

昨日、漬物名人を訪ねました。今年、レタス根腐病の対策試験をお願いしている生産者さんの奥さんです。

75歳になるYさんはいつも若々しく、老いをどう生きるかの目標にしたくなる魅力があります。

Yさんは、四季折々の自然の恵みをたくさん保存し、食べてもらうことを喜びにしていらっしゃいます。


先日、北信州に梅干の試食に伺った際に、Yさんが漬けた梅を持参したことで、急遽、10種の梅漬けの作者にYさんを紹介するために同行し、アドバイスをいただくことになりました。

一年前に漬けたYさんの「梅のぽたぽた漬け」、今年は果肉がゼリー状になっていて、その食感が最高なのです。    

    ★今だから…「梅干」を漬ける

    http://ameblo.jp/megumico-agri-s/entry-10144715316.html


3種類の「梅干」と7種類の「梅のぽたぽた漬け」、そして、Yさんの「梅のぽたぽた漬け」2種を前にして、試食が始まりました。

Yさんは、梅を見ただけで、塩辛さや砂糖の量、皮の硬さ、干し加減が分かります。


「梅のぽたぽた漬け」は、塩漬けの梅を干して、酢と砂糖でぽったりと漬けたものです。

“甘酸っぱい味のバランス”と、“ぽったりと酢で膨らんだ梅を砂糖で締めるその食感の妙技”がおいしさの決め手です。



砂糖漬け

Yさんは、「梅はきれい好き。粗末にすると変化する」「梅の顔を見ながら漬ける」などの心に残る言葉で説明してくださいました。

漬け方を教えた相手に会ったときには、「梅、元気?」と訪ねるそうです。

梅に愛情を注いでいることが、このおいしさを生み出していることに気づきます。

梅への愛情、食べる人への愛情を・・・。



味を伝えるために・・・。

家庭の中で味を伝授することは、次第に難しくなる現状です。

核家族化もあり、“姑から嫁へ”という伝承は、途絶えつつあります。

伝統技術の世襲が難しくなっているように、今、伝承しようとする意欲ある人が伝えないと、郷土の味は途絶えてしまう危機感があります。


味は舌で伝えるもの。レシピだけではわからないコツがあります。

目で変化を知り、味で確認しながら仕上げる。その場その場で掴む技術です。

Yさんにアドバイスしていただいた梅漬けは、砂糖を加えたりして味を調整します。梅を元気にするために…。


「梅があるから漬ける」のも作ることですが、

「おいしい梅漬けが欲しい」「梅で健康づくりをしたい」から、梅の木が必要になることが大切だと思うのです。

梅のある暮らしには、健康があります。

そして、漬ける人をつなぐ輪が生まれます。




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