「おばあちゃん、今も元気?」


 寒に入りました。まだこれから厳しい寒さに向かう時なのに、年を越すと心が春に向かう

のか、不思議と日差しが明るく感じられます。

 穏やかな冬景色。枯野となった田や畑でも、土手に生えた小さな雑草たちが青々と日差し

を浴びています。

 春になったらまた畑を耕して、一年の農作業が始まります。今は、休養と準備の時・・・。


 ふと、あのおばあちゃんを思い出しました。

 もう何年前になるでしょう。 仕事帰りに車を走らせていた私の目に、畑を耕すおばあちゃん

の姿が映りました。勢いで通り過ぎたものの、なぜか心に残り、迷いながらも思い切って引き

返しました。

 車を留めても、車を降りて近づいても、おばあちゃんは一生懸命に畑を耕しています。

 はいているスラックス(いえ、モンペです)はゴムが伸びきっているのか、お尻の下までずり

おちています。でも、おばあちゃんは構わず、耕し続けています。その姿がほほえましくて、

失礼とは思いながら、気づかないのをいいことに写真に撮らせてもらいました。


 「おばあちゃん、こんにちは! 耕してから何か植えるんですか?」

 「ううん、今年は何を植えるか、まだ考えていない。一人暮らしだから、たくさん採れても食べる人

がいないし・・・。でも、耕さないと畑でなくなるから、耕しているんだよ」


 70歳は超えているそのおばあちゃんが、作物を植えるかわからない畑を一人黙々と耕して

いたのです。

 「土は宝・・・」私の頭にその言葉が浮かびました。

 

 「おばあちゃん、写真を撮りましょう」 

 おばあちゃんは、少女のような顔で恥ずかしそうに身づくろいをすると、全身を硬くしてカメラの

前に立ちました。

 遠く浅間山をバックにして撮ったその写真は、今もまだ私の手元。


 あれから毎年、畑の横を通る度におばあちゃんを思い出しています。

 でも、ここ2年はもう耕されずに雑草が茂ったまま。

 おばあちゃん、写真を届けてあげなくてごめんなさい。きっと、家で元気にしてくれていますよね。

 私の目に焼きついて離れない一生懸命の姿。ほほえましくて、かわいくて・・・、力強く生きる姿を

尊敬します。

 



耕すおばあちゃん(1)















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