「遺された想いを、大切に確かめます」

 

もろさわようこ氏が2月29日に亡くなられました。

99歳の天寿を全うした諸沢葉子氏の生涯は、慕う人々の心に悲しみと多くの想いを遺しました。

 

地元、佐久市出身で女性史研究家として、同年代の女性たちへの影響は大きく、「志縁の苑(しえんのその)」という人権問題や平和運動に取り組む女性の拠点を開き、代表理事を務めました。

県内で新聞記者として働き、紡績工場で製糸工女への教鞭に就き、女性参政権の実現で活躍された市川房江氏が会長だった「日本婦人有権者同盟」の機関紙編集、月刊誌「婦人展望」編集を経て、様々な著書を上梓しています。

「目の前の矛盾に発言していたら女性史研究家になっちゃの」の通り、部落差別などの人権問題は高知市で、反戦平和は沖縄でと、活動の拠点を増やされました。

 

母の本の中に「信濃のおんな(上・下)」2冊があり、興味とともに残してありました。

社会の中での女性の生き方を時代とともに考え、実践されたもろさわようこ氏は、戦争後の混乱を生きた母の年代にとって、「女性の生き方」の大きな道しるべになったのだと思います。

 母は戦後の復興期に、山梨日日新聞のコラムで「女性と自由」「女性と独創性」「女性解放雑感」などを連載していましたので、信州で暮らすようになり、執筆の道から離れても、女性の生きる道をともに歩んで来たように思います。

 

 

「信濃のおんな」の上巻に、松尾多勢子氏の事が詳しく書かれています。

他の記事より多いページが割かれているのは、歴史的な偉人で、資料などの情報量が多いことと、その偉業にあったのかと思いながら、興味深く読みました。

 

この本は、信濃毎日新聞に252回にわたり連載された記事をまとめたもので、上巻は古代から明治中期までの女性史です。

下巻のあとがきは、1969(昭)年7月で、当時、地方女性史は未開拓な分野だったそうで、掲載1年後に出版された喜びと感謝が綴られています。

 

2年前に掲載されたインタビュー記事の中で、「志縁」の意味は「血や土地の縁は宿命だけど、志の縁は自由。社会が変革されるのを見たかった。」にあらわされています。

敗戦で、すべての言葉が欺瞞(ぎまん)に思え、生きる意味を失ったとき、「自分の思想は自分でつくり、行動するしかないと決意した」そうです。

「個人の生き方が社会を変えて行く……」、この言葉を心に残し、ご冥福をお祈りいたします。

 

 

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