「保存できる豆類は、食料安保の基本」
ストックした食品の中から、冬は豆類を努めて利用しています。
保存食材としていただくことが多い豆類。
中でも、高原特産の花豆は、八ヶ岳山麓、浅間山麓でいただく高級豆です。
塩水に浸して水を含ませておいて、ストーブの上で軟らかくなるまで煮ています。
花豆は身が厚いので、軟らかくなるとふっくらと特大サイズの煮豆になります。
今回は、三温糖で甘味を含ませましたが、黒糖や蜂蜜を加えることもあります。
実が軟らかくなってから甘味をなじませるのが、「花豆の含め煮」の大きなポイント。
甘味は冷める時に豆の味として浸透します。
煮ている時に、つい摘まんで食べてしまうのが好物ならでは。
仕上がりはかなり少なくなりましたが、煮汁がたくさんあったので、お餅と一緒に「花豆しるこ」にしてみました。
やっぱり、好物……。この甘さとボリュームで疲れが軽くなる気がします。
先日、新聞の片隅に「食料供給困難時、農家に増産指示」という記事がありました。
「食料の供給が困難になった時(米、小麦、大豆などが不足する食料危機)に、政府が農家に対して増産計画を指示し、従わない場合は20万以下の罰金を科す。」というものです。
これも小さな記事で、メディアが取り上げているのを見ないですが、とんでもなく重要な法案が出されようとしているようです。
食料危機が現実化している昨今で、見直したいことは、地産地消、自給自足、国産農産物の生産強化です。
省庁による計画が、現場の反感を生む机上の戦略になる印象。
農作物の輸入拡大は、国策で導いてきたことで、食料危機の原点を忘れてはならないことでしょう。
農業生産の現場を主体にし、これまでの経過と今後の実現性への考慮を望みます。
小麦、大豆にも適地適作があり、日本全体で栽培品目を考え、産地リレーも含めた栽培計画を立て直すことが食料危機対策だと思います。
この記事の締めにはもう一度、「拒んだ場合は20万以下の過料を科す」。
誰が考えている法案なのか、何かがおかしくなっています。
この花豆の一粒一粒を、サヤから取り出す作業が、食を支えるのです。
生産者が減り続けている農業の実態と、さまざまな矛盾。
自然相手の農業に目を向け、都合よくまとめることだけは避けていただきたい"国策という存在"です。
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