「歴史から知る"疫病"の恐さ……」
先週末、夜のオンライン講座で「カビ」を学びました。
真核生物の中の「真菌」には、酵母と糸状菌があり、糸状菌はキノコとカビに分かれます。
進化の過程を見ると、カビとヒトは近い関係にあって、驚きます。
多くのカビは、ヒトへの感染力は低いものですが、他の感染症と同様に、免疫機能が低下した時に猛威を振るうようです。
カビと人類の闘いは、食品を通して起きています。
農業の歴史の中で有名なのは、アイルランドのジャガイモです。
フィトフトラ菌によるジャガイモの「疫病」によって餓死者が増え、1840~1850年の10年間に800万人の人口が650万人に減少したそうです。
大きな原因は「アイリッシュ・ランバー」という一品種で栽培していたことで、疫病への耐性が無いことが致命的でした。
アイルランドの人口の1/3がジャガイモ主食で生きていたそうですので、ダメージは当然です。
現在でも農作物はこうしたカビによる損失が大きく、抵抗性品種への品種改良と、病原菌の変異による耐性菌の出現とで、"いたちごっこ"のような闘いが続いています。
タネを外国に頼る現在の農業には、視点を変えて危機感を持つ想像力も大切です。
在来種や固定種の復活は危機管理のひとつです。
今年、弊社が取り組んでいる「センチュウ」「疫病」対策も、センチュウやフィトフトラとの闘いです。
ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウは、発病抑止を実証していますが、テンサイシストセンチュウはこれからの課題。
疫病は、育苗用資材での試験でセルリー疫病が発生せずに収穫できましたので、来年の本格試験につなぎます。(上写真/右1列)(下写真)
作物を収穫に導く栽培は、害虫・病原菌との生存競争です。
小さな種から芽を出し、高品質な作物に育てることは、様々な攻撃から作物を守る日々です。
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