飛び入りネタです。
本日の拙作の更新部分で、世子賛が父王に
ー龍の化身たる王に父母はいません。
と、反抗したシーン。
女装の美少年である従弟にひとめ惚れした賛は、彼が忘れられず、
父王に止められても突っ走りたい。
そんな賛が父王に対して、放った科白。
実は、出所があります。
このエピソードは、実は韓国ではなく日本史から来ています。
その昔、二条天皇という方が近衛天皇という今は亡き御方の后であった藤原多子
という女性に横恋慕し、
ーどうしても后に迎えたい。
と、我が儘を言いました。
それに対し、父の白河院は流石に諫めたんですね。
しかし、二条天皇は若さゆえの激情に任せて、多子を我が物にしてしまいました。
先帝の后であった方を再び次の天皇がまた後宮に入れるというのは前代未聞のことで、
多子は「二代后」と呼ばれ、「二君にまみえる」と醜聞の渦中に立たされたそうです。
その時、息子を説得しようとした父院に対し、若き帝が
ー天子に父なし。
と言い放ったそうです。
つまり、神である天皇には元々、親はいないんだから、あなたの言うことを私が
きく必要もない。
という意味でしょうか。
「恋慕」の第一部「秘苑の蝶」ではヒロインが「二代后」と呼ばれますが、
これは実は、日本史のこの逸話から着想を得ています。
また、今日のシーンの「国王に父母なし」の科白もまた日本史から来ています。
私は元々、日本史が大好きな人間なので、韓国を舞台にした小説を書いていても
時々、こうやって日本史から引っ張ってきたネタが出てきます(;^^)ヘ..