朝鮮に「二人の王」は必要なし?父と息子、その真実はどこに?韓流時代劇「六龍が飛ぶ」 | FLOWERS~ めぐみの夢恋語り~・ブログで小説やってます☆

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皆様、こんにちは。

 

 昨夜は早速、ツタヤで借りた韓流時代劇「六龍が飛ぶ」7巻前半を観ました。

 

 

 

 このドラマも韓ドラらしく、ストーリーは波瀾万丈で壮大です。

 

 かつ複雑。なので、もういちいち物語を追うことはしません。

 

 今、私が気になっているのは太祖と太宗の親子仲です。

 

 太祖といえば、言わずと知れた朝鮮王朝の始祖李成桂イ・ソンゲですね。

 

 それから、太宗は李成桂の五男李芳遠イバンウォン、第三代国王になります。

 

 そもそも私がこの二人の国王の親子仲について興味を持ったのは、「六龍が飛ぶ」の前

 

 「イニョプの道」を観たときでした。

 

 ここでは、まさに犬猿の仲。

 

 既に太上王となっていた太祖は息子と同居を嫌い、別居状態で

 

 おまけに王の証しともいうべき玉爾を持ち出していました。

 

 何かにつけて衝突ばかりする二人でした。

 

 この描写を観て、果たして本当だったのだろうかと疑問を持ったんですね。

 

 韓ドラに限らず、歴史物はかなり脚色しますから、ドラマ内容をそのまま鵜呑みにはできません。

 

 そして、「イニョプの道」の次に観始めた「六龍が飛ぶ」では時代は

 

 王朝草創期どころか、まだ高麗の末期です。

 

 つまり「イニョプの道」で描かれていた時代より、はるか前の時代が舞台なんですね。

 

 で、肝心のイ・ソンゲとイ・バンウォンの仲はというと、、、

 

 息子がまだ若いので、後期のような冷え冷えとした関係ではないものの、

 

 父親であるイソンゲが息子に振り回されているように見えます。

 

 このドラマでは、イソンゲは「たたき上げの武人」のように見えます。

 

 正義感が強く、曲がったことが嫌い。自分が「是」と信じた信念に従い

 

 黙々と、でも力強く進んでゆく。

 

 一国を興したほどの人ですから、もちろん知略には富んでいたでしょう。

 

 ーイソンゲ将軍なら、絶対に信じても大丈夫。

 

 そんな強い人望のようなものも感じられます。

 

 ですが、ドラマでは「自ら率先して王位を望むような」野望を持つ人物には見えません。

 

 そして、そんな権力欲とは無縁の父を「策を弄して」支配者に仕立てあげようとするのが

 

 息子のイバンウォンです。

 

 若き日のイバンウォンを見ていると、非常に頭の良い人だという印象です。

 

 頭の回転がキレ、策を巡らせて事態を「自分の思う方向に進めようと」します。

 

 策略家ともいえるかもしれません。

 

  となれば、、、

 

 どちらかといえば、策を弄してまで成り上がることを好まない父親とは

 

 反りが合わないのもごく自然に納得できるのです。

 

 「六龍が飛ぶ」を観ていると、そんなことを考えさせられます。

 

 合わない例えによく「水と油」といわれますがこの親子は性格からすると

 

 「水と火」のように思えます。

 

 父親が火で、水が息子、或いは逆かもしれません。

 

 イバンウォンの「武」よりは「知」を重んずるやり方は、一見、「水」のように見えますが、

 

 彼は知的な外見の下に実は「火」のように烈しく熱い性格を持っています。

 

 一方、武人のイソンゲは一見は火のように見えるけれど、真っすぐで

 

 たわむことを知らない一途さは、もしかしたら火なのかもしれません。

 

 とにかく、この父子が真逆なものを持っているのは確かです。

 

 その決定的な違いが後の父子の「不和」の元になったーと考えられはしないでしょうか。

 

 私が調べたところ、歴史上でもこの二人はあまり仲が良くなかったらしく、

 

 時代は「六龍が飛ぶ」7巻より更に下り、「イニョプの道」の頃ー

 

 イソンゲは退位して太上王となり、イバンウォンが太宗として即位した頃には

 

 イソンゲは玉爾を息子に渡さず、自分が持ち続けて、しかもあちこち居を移していたと

 

 の記載がありました。

 

 この部分は「イニョプの道」の描写と一致します。

 

 また、太宗と太祖の名はよく聞きますが、二代国王として「定宗」という国王がいた

 

 というのは初めて知りました。

 

 この人は「六龍が飛ぶ」に出てきます、李芳果イ・バァンカというイソンゲの次男です。

 

 ドラマでも一目見て、大人しい感じの人だと感じたように、

 

 実際にも思慮深く大人しく、野心には無縁の人であったとのこと。

 

 弟のイバンウォンに説得されて仕方なく王位につきましたが、本人は王になりたいとは

 

 思っていませんでした。

 

 最初、野心に富んだ太宗が兄を殺したのかなと考えたのですが、

 

 どうやら利口なお兄さんは長く王位にとどまれば、今度は自分が弟に殺されると

 

 判り切っていたようで、自ら退位を申し出てそうです。

 

 退位後は悠々自適の隠居生活を送り、63歳という当時としは長寿で亡くなりました。

 

 

 

 その点、曲がったことの嫌いな父イソンゲとは対極にあるように見えます。

 

 このドラマを観ていると、まったく別のドラマ「イニョプの道」では

 

 犬猿の仲であった太祖と太宗の姿がごく自然に重なります。

 

 それぞれ違うドラマですが、やはり二人の親子仲はあまり芳しくは描かれていないのです。

 

 そこで、もしかしたら、太祖と太宗が不仲であったのは史実に近いのかな。

 

 とりあえず、調べてみることにしました。

 

 以上が今のところ、判ったこと、考えたことです。

 

 それにしても、「イニョプの道」の感想でも書きましたように、私は今まで

 

 10年間、韓流時代劇を観てきたけど、その多くが中期以降が舞台でした。

 

 特に興味のあるチャン・ヒビンやトンイなどの時代、その他には廃妃ユン氏やインス大妃が生きた

 

 時代などです。

 

 なかなか王朝の草創期というのを観たことはなく、「イニョプの道」で観たのが縁で

 

 続けて「六龍が飛ぶ」を観ることになりました。

 

 草創期を描いたドラマには、中期以降のドラマとはまた違った魅力があります。

 

 高麗という一つの国と王朝が滅び、怒濤の中からイ・ソンゲという希有な武将が

 

 立ち上がった。

 

 言葉にしてしまえばそれだけですが、その背後、周辺には実に様々な人々の思惑が

 

 渦巻いていたことでしょう。

 

 後に三代国王となるイバンウォンもその頃にはまだ、その様々な人々の一人に

 

 すぎませんでした。

 

 彼が持ち前の知力を駆使して、本来であれば王位に遠いはずの場所から

 

 どうやって王座に辿り着いたのか。

 

 また、高麗が滅び、朝鮮王朝が興るまでには、どのような経緯を辿ったのか。

 

 その過程を見ることができると思うと、興奮しますー笑

 

 もちろん、これはあくまでもドラマですから、そのままを丸ごと信じるわけにはゆきません。

 

 しかし、実際にはるか昔、一つの王朝が滅び、また次の王朝が興ったプロセスは

 

 すべて「事実」としてあったことです。

 

 それを考えると、何だか血湧き肉躍るというか、ワクワクしませんか?

 

 まさに、これぞ歴史の醍醐味という気がします。

 

 以前、私は朝鮮王朝時代は小説書きにとっても、「宝の宝庫」だと言いました。

 

 書く題材がたくさん眠っているからです。

 

 10年間、書き続けてきましたが、今また新たに「草創期」というテーマが現れました。

 

 自分なりにもっとじっくりと見つめ、味わい、いずれ機会があれば

 

 描いてみたいと思います。

 

 あと、栗のおかしといえば、和風は「栗きんとん」、洋風だと「モンブラン」ですかね。

 

 どちらも美味しいですよね。