最近読んだおすすめの本教えて
いや、もの凄い本というか小説作品に出逢いました。
って、ー皆様、おはようございます。
の定番挨拶も忘れるくらいの小説に出逢ってしまった!
これは凄い、と、ありきたりの似たような言葉しか出てこないですがー汗
二週間ほど前でしたか、ツタヤに末っ子といった時、子どもが文庫を買いました。
集英社のオレンジ文庫から出ているシリーズで、私も面白そうなものを見つけて一冊
物は試しにと買ったわけです。それが何とヒット、満塁ホームランでした。
まず文章が美しい。典雅というのか、拡張があって、その上、まったく難解ではなく、
むしろ読みやすい。つい最近、ラノベでBLの「花嫁は十七歳」という小説を読みやすくて面白いと
ご紹介しましたが、あちらは平易で読みやすい文章で、コチラは格調高くありながらも
非常に読みやすいという更にグレードアップした感じです。しか書かれた方の語彙力というか表現力の豊かさには
脱帽ものです。読んでいて、思わず溜息が洩れそうなほど美しい言葉、表現が随所にちりばめられています。
いや、私、絶賛してますね。でも、ホントに思ったことをそのまま書いているだけです。
更に内容としても面白い。ジャンルでいえば、中華風時代ファンタジーなのでしょうか。
昔の中国を思わせる世界観で、新興国の若き王の後宮に「烏妃」というお妃がいます。
名前からして、「お?」と注意をひかれるのですが、この烏妃というのが
ー後宮に住まう皇帝の妃でありながら、けして夜伽はしない特別な存在。
という設定であるところに、まず読者は二度「おお?」となるでしょう。
ましてや、この烏妃というのが代替わりしたばかりの若く美しい可憐な少女であり、ある日、若き皇帝が
相談事にその「けして夜伽は務めてはならない妃」の元を訪れるーという出だしであれば、、、
読者はこの先、若き皇帝と「けして帝とは恋愛関係にはならない」妃との間に
どのような物語が紡がれるのか、嫌が上にも期待をするわけです。
そしていよいよ物語をひもとくわけですが、そこには単なる若き皇帝と夜伽を務めない妃という関係だけでなく、
「前王朝を滅ぼした新王朝」の若き王と、「滅ぼされた前王朝の末裔であるところの」王女という
関係さえありました。更には、「烏妃」という存在、けして帝が手を触れてはならない後宮の禁忌ー
にも二つの王朝の興亡の裏に隠された烏妃の秘密というものがあり、それが本書の最後に
明からになります。二重三重に伏線が周到に張られた物語は奥行きがあり、
読み応えがあります。恐らくはこの若き皇帝と「妃」が協力して、自分たちの因縁に挑み、
いずれは名実共に烏妃が「妃」になるという結末ではないでしょうか。
結末だけは割と簡単に予測できますが、そのプロセスに一体、何が起きるのか、
更に若い二人がどのような形で自分たちの絡まり合った因縁を解いてゆくのか。
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表紙も素敵ですね。
そこが見所であると思います。
よく考え尽くされた、優れた作品です。
しかも、ストーリーは主役二人のみならず、「烏妃」の不思議な神力があるという立場を活かし、
烏妃が皇帝と協力しあい、この世に無念を抱えてとどまる幽鬼のために
その無念を晴らすために奔走するーという要素もあります。
ちょっと「必殺仕事人」的? な面もあり、主役だけでなく脇役ー非業名最期を遂げた幽鬼たち
のキャラ周辺も丁寧に描かれることにより、主役たちの今の因縁ある関係というのが
更に克明に浮かび上がります。
脇役一人一人の物語にも涙なしでは読めないものがあり、
そこにはー人が人として生きる哀しみ、美しさが鮮やかに描かれています。
涙なしでは読めないシーンもあります。
夢中になって読みました。久々に血湧き肉躍る作品に出会えて、軽い興奮状態ー笑
とりあえず二巻めはアマゾンで注文しました。
この勢いでゆけば、まず外れはないと思いますが、稀に長編では予期しない
話の展開があり、ちょっと自分の好みに合わなくなることもありますので、
まずは一冊ずつ購入することにしました。
この作品と出逢って、真っ先に思い出したのが今野緒雪さんの「夢の宮」という作品です。
やはり集英社コバルト文庫から出た、もうかなり昔の作品ですが、
「夢の宮」と呼ばれる後宮を舞台に繰り広げられる壮大な時代ファンタジーでした。
ほぼ全巻読んだと思います。
あれも素晴らしい傑作でした。