清濁合わせ飲むのも時には必要~時代劇 鬼平犯科帳 谷中いろは茶屋より~ | FLOWERS~ めぐみの夢恋語り~・ブログで小説やってます☆

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一瞬一瞬、1日1日を大切に精一杯生きることを心がけています。
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こんにちは。

 今日は天気も良かったので、久しぶりに自転車で午前中、買い出しに行きました。

 昨夜は鬼平犯科帳を見ました。

 谷中いろは茶屋と妙技の壇衛門というタイトル、二つの話です。

 どちらも捨てがたいので、今日は簡単に二つをご紹介します。

 谷中の方は私の好きな若い同心木村忠吾が主人公。

 こちの忠吾、女好きの遊び好きで、市中見回りと称しては

 谷中のいろは茶屋にしけこみ、馴染みの女とよろしくやっていた。

 


 

 
 おまつという若い茶屋女のもう一人の馴染み客である老人が実は平蔵を

 悩ませる大盗人。

 しかし、それとも知らず忠吾は老人と親しくなり、酒を酌み交わす始末。

 その老人が追い求めている盗人だと知った平蔵は忠吾を役宅の留め置き、

 事件が片付くまで女とあわせないようにした。

 が、どうにも女恋しさに夜中に抜け出した忠吾がたまたまその盗人が

 寺に押し込み金品を強奪するところを目撃したことから、

 盗人一味の宿も判明、一網打尽にできた。

 それもすべては忠吾の手柄よと事件後、平蔵に呼び出され

 ほめられた忠吾ですが、実は私はあの時、市中見回りではなく女に会いに

 いこうとしていたのです、と、正直に話した彼に平蔵さんが返した言葉が

 印象的です。

 人間ってえものはな、良いことをしながら、同時に悪いこともするもんよ。

 だから、今回のこともお前は悪さをしでかそうとしながら、善事もしたんだ


 何という含蓄のある言葉でしょう。

 人間は清濁合わせ飲まなければならないときは人生にしょっちゅうあります。

 きれいごとだけで生きてはいけないのが世の中。

 流石はこの世の修羅場も極楽も見てきた鬼平の科白だけはある。

 ちなみに、尾美としのりさんが演じる忠吾が何故、うさ忠と呼ばれるのか?

 以前、私は知り合いで鬼平さんに詳しい人に訊いたことがあります。

 その人は、うさぎまんじゅうに似ているからと教えてくれたけど、

 今回の話には、そのワケもちゃんと出てきました。

 一個一文のうさぎまんじゅうは甘くもなく辛くもなく、ほどよいが、

 幾つ食べても腹にたまらない、つまり、食べても食べなくても良いような安菓子

 それが当時の江戸庶民の見識だったそうですが、

 忠吾も毒にもならず、かといって役に立つわけでもなく、

 いてもいなくても、どうでも良い人間という意味で、うさぎまんじゅうとかけて

 そう呼ばれているのだとか。

 このとき、忠吾の馴染みの女おまつを演じているのは杉田かおるさん。

 信じられないほど、お若くておきれいです。

 これは、かなり前のものでしょうね。

 さて、後半の妙技の壇右衛門は、平蔵のために生命を賭して

 お役目を果たし、殉職した密偵、高萩の捨五郎の話です。

 平蔵は過去に盗賊だった捨五郎を心から思いやり、

 自分のために生命がけで働いてくれる捨五郎を最後まで守ろうとしました。

 前半の忠吾の話と異なり、後半は平蔵と密偵の心の通い合いと

 捨五郎の壮絶な最期に涙止まらない結末でした。

 平蔵は部下を大切にする。同心たちだけでなく、密偵

 に対しても、その心遣いは変わらない。

 そういう人を身分や立場で差別しないところが、平蔵の人間的な魅力なんだろうな

 と思いました。