お袋の味。
一つひとつの家族の味。
子供の時の記憶。
カレーライスだったり、
お味噌汁や肉じゃがだったり。
それを一口、
食べるだけでよみがえる記憶。
そんなお袋の味に出会った。
それは・・・
サークルKで売ってる、
とろける生ティラミス。
嘘と思う方もいるかもしれないけど、
本当に、私にとったらお袋の味だった。
子供の頃から誕生日に、
毎年母が作ってくれていた。
本当に濃厚で、甘さはほどよく、
どんな有名店のティラミスを食べても、
母の作るティラミスが一番だと思った。
そんな私が、”これは・・・”
と思ったティラミスが、このティラミスである。
母のティラミスは、スポンジの所が
クッキー生地を使っていたので、
そこだけはやはり母のティラミスの方が好きなのですが、
クリームは母の味にそっくりであった。
そんなティラミスを食べ、母の事を思った。
シャキシャキと動き、
怠惰な事が嫌いな母は、
見た目も中身も“キャリアウーマン”と
呼ぶにふさわしい人である。
一見、冷静沈着と思われがちであるが、
あ、いや、冷静沈着なのは間違いではないのだが、
見た目以上に、情や義に熱い人である。
何か贈り物をされれば、
お礼を良い、必ず何かでお返しをする。
困っている人がいれば、出来る範囲で、
しかし自分の最大限の手助けを行う。
当たり前のことだけど、
この当たり前の事をするのは中々難しい。
少なくとも母の姿は私の目にはそう映った。
その情はもちろん家族にもあてはまる。
簡単に言えば、私は愛されて育った。
愛されて育った。
しかし、今の私は、愛情を注いでくれた母の期待とは
まったく別の道を歩いている。
・・・そんな事を思いながら、
ほろ苦い、甘い、ティラミスを口にする。
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このまま終わることが気はずかしなり、
写真追加ー。
ショートにしたいな!