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彼方からの手紙

ラブレターフロム彼方 日々のお手紙です

サクラノウタ(後編)

 

前編はこちらからどうぞ。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

「1250円です」

 

「はい…あ、ピッタリあります」

 

トレイに小銭を全部乗せ終えたら、

年配の店主がにこにこ笑顔になる。

 

「ありがたいねえ」

 

シワの深い手から、

本とレシートを受け取って、

いつもの挨拶。

 

「ありがとうございました」

「はい~毎度どうも~」

 

本屋を出て、空を見上げたら、

気持ちいいくらいの青が広がってて、

思わずひとりごと。

 

「なんか春っぽいな」

 

そりゃそうか。

もうすぐ3月。

また春がくんだなあ…

 

慣れた商店街を歩きながら

このあとの予定をアタマの中で

組み立てる。

 

コンビニで支払いして、

ストームクリーニングで

Yシャツ引き取りして、

ケーキ屋でシュークリーム買って、

最後にドラッグストアで

ティッシュと柔軟剤とハブラシ…、

 

いや待てよ。

いい時間だから先にどっかで

昼メシ食っちゃうか。

 

嵐亭でラーメン。

 

あーーでも、

ラーメンはちょっと重いか。

 

ストームクリーニングの

となりのそば屋もいいけど、

この通りまで戻ってきた方が

帰りケーキ屋寄りやすいしな…

 

この街に越してきて2年。

 

もう何度歩いたかわからない

商店街の真ん中で、

パターン化しつつある日曜日を

今日も歩いてる。

 

「あ、ひさびさにイタリアン行くか」

 

いい天気だから

窓際の席座れたらベスト。

さっき買った本も読めるかも。

 

店内を思い浮かべたらもう

パスタの口になってくる。

 

”ここのイタリアンおいしいですよ。

ランチだとピザとかパスタとか

リーズナブルでお得です”

 

ふと。彼女を。

あの日の夜を…思い出す。

 

あれから2年。

 

あれから何度、

この道を歩いただろう。

 

あれから何度、

彼女のことを、あの夜を、

桜の花びらを…思い出しただろう。

 

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

 

「嘘だろっ」

 

イタリア国旗の3色の看板の下、

トビラに貼られた手書きの文字を見て

声が出る。

 

”3月末で閉店することになりました”

”長い間ご愛顧ありがとうございました”

 

えーーー…

閉店しちゃうのかよ…

 

理由はわからないし、

オレにはどうすることもできないけど。

突然突きつけられた寂しさに

とまどいながら、トビラをひらく。

 

カララン

 

「いらっしゃいませ。

おひとりですか?」

 

「はい」

 

「ではこちらのお席どうぞ~」

 

やった、窓際!

 

思い描いてた場所を案内されて、

かなりうれしい。

柔らかいひかりが降り注いでる

ふたりがけの席に腰をおろす。

 

「ご注文お決まりですか?」

 

「パスタのランチセットお願いします」

 

「本日のパスタはアラビアータか

カルボナーラでお選びいただけますが」

 

「んー…じゃあアラ、」

 

店員さんの方を向きかけたとき、

となりの席が目に入って、

一瞬でフリーズ。

 

「……………」

 

「アラビアータでよろしいですか?」

 

「……………」

 

「あの?」

 

「あ、はい!

アラビアータで、お願いします」

 

ドクンドクンドクン

ドクンドクンドクン

 

彼女だ。

 

ほんの少しのスペースを隔てた

となりの席に…彼女が座っている。

 

もう一回、

せめてもう一回だけでも会いたいと

あの日から何度も何度も願った、彼女。

 

”この街にはもう来ることはないから”

 

そう言ってた彼女が、今ここにいる。

オレの隣の席に、座っている。

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オレの隣の席に…

座っているけど。

 

彼女はひとりじゃなかった。

 

「やっぱすげーうまかったね!」

 

彼女の向かい側に座る、

同い年くらいの、優しそうな男性。

 

「オレも閉店前に来れて良かったよ」

 

「うん」

 

「……………」

 

彼氏、かな。

 

いや、もしかして。

あの日別れたって言ってた、

元カレなのかも。

 

あの日別れたけど、

時を経て今、復活LOVE、とか。

 

復活LOVE…

 

舞い戻ったAngelを

おかえりと抱きしめて、

 

閉店前にもう一度、

ふたりの思い出の店に

ランチにきました、みたいな?

 

っていうか。

 

そもそも向こうは、

オレのこと気づいてんのかな。

 

ちらっ

 

持ってた文庫本を開くふりをして

彼女に目をやる。

 

コーヒーカップに

そっと口をつけてるきれいな横顔。

 

…気づくわけないか。

 

あの日はお互い、酒入ってたし。

夜中だったし、暗かったし、

ほぼ一瞬みたいな時間だったし、

 

なにより…もう2年も経ってる。

 

”翔さん記憶力よすぎ”

 

松潤がよく言うセリフ。

 

オレは鮮明に覚えていても、

彼女がそうだとは限らない。

 

お互いに、

うまくいかなかった日の、

うまくいかなかった夜の気分を

たまたま一緒に、ビールで流しただけ。

 

世の中的にはよくある…

いやオレ的には全然、まったく、

よくあることではないけど。

 

ほんの偶然ついでの夜で、

彼女の記憶に残ってなくても、

別に不思議じゃない。

 

そして今、

元カレと復活LOVEだろうが、

新しく彼氏ができてようが、

 

オレのことなんて、

覚えてなくたって全然…

 

「…あのっ」

 

その時彼女の、

緊張したような声が聞こえてきて。

 

目と目が合う。

 

信じられないくらい

鼓動が早くなってるのを感じる。

 

「あの…、」

 

「覚えてます」

 

何か言おうとしながら、

言葉が出てこない彼女に、

オレがつながなきゃって、

必死でアタマをフル回転させる。

 

「お久しぶりです、でいいのかな。笑

焦りましたよね~あの日。

PayPayつかえなくて」

 

つとめて冷静に話してるつもりだけど、

声は…上擦ってる気がする。

 

「この店。

あの時教えてもらってから、

すげー何回も来てて。

…ありがとうございました。

商店街、今はもうすっかり、

どこも馴染みになってます。笑」

 

緊張した面持ちで、

まっすぐオレを見てる彼女。

 

オレの勘違いでなければ、

瞳が少し…揺れている。

 

”もう一度会えたらって

オレずっと思ってました”

 

ついそんな言葉を、言いかけて。

 

「……?」

 

彼女の前に座ってる男性からの

まっすぐすぎる視線を感じて、

これは無理か、とあきらめる。

 

オレとのこと、ちゃんと…

覚えててくれた。

 

うん。もう、それだけで。

 

「おまたせいたしました。

アラビアータです」

 

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「ごゆっくりどうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

店員さんが戻ったタイミングで、

今度はまっすぐすぎる視線の主から

声をかけられる。

 

「もしかして、桜のカレですか?」

 

「ちょ、ちょっとお兄ちゃんっ」

 

「だって今PayPayって聞こえたよ?

桜のカレってことでしょ?でしょ??」

 

お兄ちゃん

お兄ちゃん

お兄ちゃん…

 

お兄さん!!

でしたかーーーっ!!!!!


思わず心の中でガッツポーズ。

 

新しいカレでも

元カレ復活LOVEでもなかったことに

勝手に心底、安堵して。

 

「また会えたなんてすごいじゃん!

すっごいミラクルじゃん!」

 

「連絡先聞かなかったこと、

ずーーっと後悔してたのに、

まさか再会できるなんてさあ!」

 

オレにとっては、

お兄さんの言葉のひとつひとつが

まさにミラクルで。

 

”ずーーっと後悔してた”

 

そのフレーズはダイレクトに、

オレ自身にも突き刺ささる。

 

こんなミラクル、

もう逃すわけにはいかない。

あんな後悔…

もう絶対にしたくない。

 

ぐっとカラダを横に向けたら、

全く同じタイミングで

彼女もこちらを向いてくれる。

 

「あのっ」

「あのっ」

 

目と目があって、

声が重なって。

 

ふっ、とお互い、笑ったら。

 

あの日見た景色が、

薄紅色が…ふと脳裏に浮かぶ。

 

風が吹くたび、

はらはらと舞い落ちた、

きれいな桜の花びらたち。

 

「また会いたいって思ってました」

 

「………」

 

「あの日から、ずっと」

 

 

耳の奥に、

やけにはっきり聞こえる、

心臓の鼓動。

 

ドクンドクンと

脈打つ自分の音のあいだを

すっときれいに、通り抜けるように。

 

「わたしもです」

 

「わたしもずっと…会いたかったです」

 

彼女の声が、

オレの耳にまっすぐに…届いた。

 

 

サクラノウタ(後編)

終わり

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

読んでいただき

ありがとうございますm(__)m

 

お話の中とおなじく、

2年の時を経ての完結でした。

最後まで書けて良かった~!笑

 

イタリアンでの再会だったんで、

イタリア国旗の色になぞらえて、

相葉さんにご登場いただいたよ(*^^*)

ミラクルといえば相葉さんだものね!

 

最後までお付き合いありがとう。

感謝です!

 

こんにちは(^^)/

元気にがんばってますかっ。

ようやく金曜日だね。

 

昨日今日と、

自分の中でかなり盛り上がって、

お話ひとつ書いてたんだけど、

今週アップは無理っぽいので

来週は必ずや!と思ってるんだけど。

(言って退路を断ついつものやつ)

 

お話の中で使いたい写真、

パスタの写真を探していて、

iPhoneの自分の写真フォルダで

”パスタ”で検索して、

これがいいかな~ってやつ見つけたのに、

 

どう見ても何回見ても、

どこのお店で撮ったやつか

まっったく思い出せなくて焦ったよ。笑

 

2019年のだったから

まあまあ昔っちゃあそうなんだけど、

前後の写真を探してようやく判明した(^^;)

 

こういうの最近地味に多くて、

なーんかびっくりしちゃうよね…

日付とか曜日なんてもうほんっと!

すぐ間違える!あぶない!笑

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これは先月食べた牛タンです

大変おいしゅうございました

 

それはそうと、

今期ドラマ何見てる〜??(唐突)

わたしはね~、

 

リブート

(超おもしろい!)

再会

(地味におもしろい)

ラムネモンキー

(きらいじゃない)

東京PD

(イケオジだらけでとても良い)

キンパとおにぎり

(ラブがかわいくてとても良い)

冬のなんかさ、春のなんかね

(身につまされておもしろい)

 

以上6つを見てるよ(*^^*)

 

リブートは

どういう結末になるんだろう~??

毎週楽しみがあるのは

ありがたいですほんとに!

 

ではそろそろ、

帰る準備します。

 

今週もおつかれさまでした(^^)/

こんにちはー2月!

新しい月に入ったね、

元気にがんばってますか?

 

実はもう少し、

Sho’s choice のトビラについて

話したいことがあるんだけど…

(まだあるの?嘘でしょ?笑)

 

トビラの話だけじゃなくて、

今現在の嵐さんについてちょっと、

掘り下げてみたいな~と

思っとることもあるので、

またそのうち書こうと思います、

その時は読んでやってね(^^)

 

ニュースでもやってるかもだけど、

札幌はめちゃんこ雪がすごいんです。

全然上手に写真撮れないけど

今朝もまあまあ積もってた

 

北海道だけじゃなくて

東北もひどい被害なんだよね、

ほんとうにご安全に、

無理せずにでだね何ごとも。

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今週もぼちぼちと、

がんばっていきましょう、お互いに!