【妄想小説】過保護な櫻井先輩は(20) | 彼方からの手紙

彼方からの手紙

ラブレターフロム彼方 日々のお手紙です

下書きからのお蔵出し、

櫻井先輩でっす(^^)

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

前に翔さんと一緒に見に行った映画の、

続編が公開になるというニュースを見て。

 

「せっかくだから前のやつ復習しない?」

 

そう提案してくれた翔さんと、

今日はおうちでNetflixデート。

 

「映画といえば、やっぱこれでしょ~」

 

「わ!すごい!笑」

 

コーラふたつにポップコーンまで!

わざわざ用意してくれた翔さんにキュン。

 

「電気消そっか」

 

「ふふ…消しちゃいましょうか」

 

夕方の日差しはまだ明るくて、

カーテンを引いても真っ暗ではないけど、

映画館っぽい雰囲気がうれしい。

 

~♪

 

テレビ画面いっぱいに、

明るい色が次々と流れてく。

 

ソファのとなり、ちらっと見ると

真剣な表情の翔さん。

きれいな横顔だな…

 

「…………」

 

集中してるときの横顔、

ふっくらしたくちびるを

思わず見つめてしまう。

 

この映画を、映画館で見た時の…

付き合い始めたばかりの頃のことを、

思い出しちゃう。

 

「…なに?」

 

「い、いえ別に」

 

「なんだよ。笑」

 

微笑みながらそっと優しく、

肩を抱き寄せられて、

胸がドキン!と強く高鳴って。

 

「この映画見たのってさあ…

つきあって最初のデートで、だったよね」

 

「…はい」

 

仕事終わりで何か食べに行くとか

そういうのじゃなくて、

休日に待ち合わせをして、見た映画。

 

わたしと同じく、

あの日のことを思い出してる翔さんが

すごくすごく嬉しい。

 

今ほど距離が近くはなくて。

会社での関係性のままの、

ぎこちなさはまだ少しあったけど

”彼女”としてそばにいられる、

安心感は感じてて。

 

真剣にスクリーンを見てた横顔、

大好きな翔さんの横顔を、

確認するようについちらちらと

盗み見てしまってた、初デートのあの日。

 

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

 

side sho

 

画面にあの日と同じ物語が流れていて、

思わずタイムスリップしてしまう。

 

なんとなく気恥ずかしくて、

でもようやく付き合えたことを

単純にすげー嬉しく思っていた、あの日。

付き合い始めた頃から、

ただただ好きだという感情が、

ただただ進行形で、

ただただ深くなっていること、

彼女は気づいてるだろうか。

 

右腕で肩を抱いたまま、

左腕で華奢な体を包み込む。

ぎゅっと横から抱きしめてるような態勢に

恥ずかしそうな声が聞こえてくる。

 

「しょ、翔さん」

 

「んー?」

 

「映画に…集中してください」

 

「いやいや、お互いさまでしょ笑」

 

にやりといじわるに笑うと

腕の中でどんどん赤くなる顔が、

ありえないほどかわいくて。

 

「そんなちらちら見られたら気になるって」

 

「ちらちらなんて…」

 

見てません、の言葉が

続かないあたり、図星だな。笑

 

じっと見つめると、

ふっといたずらに逸らすから、

強制的に顔をホールドして

がっつり覗き込んだら。

 

「…………」

「…………」

 

少しうるんでる瞳がたまらなくて、

思わずくちびるを寄せる。

 

一度合わせられたくちびるは、

角度を変えて、ついばむように、

掬い上げるように…
浅く、深く、繰り返し重なる。

 

「ん…、」

 

何も考えられなくなる。

ただこの甘さに、溺れたくなる。

 

~♪

 

壮大な音楽が聞こえてきて、

主人公が大きな声で何かを叫んで。

はっと現実に引き戻された彼女の手が、

オレの胸をぐっと押し戻す。

 

「翔さん、映画が」

 

「ごめん…キスだけ」

 

返事を待たずに、また甘く、

淡く切なく、くちびるを合わせる。

 

キスだけ、で終われるはずもなく。

合間にもれる彼女の甘い吐息に

ガマンできるわけもなく。

 

右手がブラウスのボタンにかかる。

すきまに入り込もうとした指が、

弱々しいチカラの手に捕まえられる。

 

「キスだけ、って」

 

「…言ったね。わり。笑」

 

捕まえられた手で、

そっと彼女の手を握る。

ぎゅっと握りあってる手から伝わる、

愛おしい温度。

 

こつんとおでこをあわせて、

もう一度瞳を見つめたら。

 

それ以上もう、なにも言葉はいらなくて。

 

どちらからともなくまた、

くちびるを寄せて。

 

甘い甘い時間にそのまま、

ふたりで身をゆだねた。

 

(終わり)

 

 

(下書き・2018年春ごろ?)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

読んでいただき

ありがとうございます(^^)/

 

モヤモヤとストレスは

甘ーーい妄想に昇華する!の

わたしの掟にならって、(掟?笑)

櫻井先輩にご登場いただいたよ、

下書きから引っ張り出して、手直ししました。


今日は全然時間がなかったのだけど

なんとか形になって良かったです。

新山劇場も書いてて楽しいけど、笑

やっぱり本家の妄想がないとね(*^^*)

 

金曜日おつかれさまでした。

よいGWをお過ごしください(^^)