数日間夫も私も考え悩みあぐねているフリをしていたけど
本当は主治医から告知されたあの日に
わたしの思いは決まっていた
もちろんこれでいいのか？と
何度も何度も自問自答したし、今も…
病院へ私たちの決定を伝えに行く日
その日息子も居たので彼はじいちゃん宅にお願いしようと思っていたら
朝からゴルフで留守……
マイペースな我が父にイラっともするけど
変わらない生活を送ってくれる事にホッともする
となれば夫か私どちらか1人が行く事に
「行ってくる？」と聞いたら
「行っといで」と返された
一瞬「えっ？あんた行きーや」と思ったけど
自分で行かなかったらきっとこれは生涯
ずっーと後悔していたはず
譲ってくれてありがとう
前夜お互いの思いの最終確認をし
質問と共に念の為メモ
番号が呼ばれ診察室へ
緊張しながらも主治医へ私たちの決定事項を
ひとつづつ話す
1番の要望は
なるべく入院をせずに治療をお願いしたい事
毎日でも１日に2回でも通いで出来るならいくらでも連れてきますと
そしてこの先の時間は
息子がしたいと思う事を
１つでも多くさせてやりたい
その為にはキツイ骨髄抑制を引き起こす様な
強すぎる薬は望まない事
そしてやはりどうしても視力は譲れない
できる限り守ってやりたい
知的障がいのある息子から目まで奪う事はしたくない事を伝えた
「わかりました
ではご両親の思いをしっかり組み入れ
あとはこちらで投薬と放射線の計画を
作ります」と
最後に質問した事
「保険診療外かと思いますが
陽子線や重粒子線治療は放射線の変わりに選択肢に入りませんか？」
どうしても目のことが気になっていたので
もし主治医が良き反応をしたならば
保険外診療だとしてもそちらでお願いする事を夫と決めていた
がメリットデメリットの事を考えて
放射線で良いのではないかとのお話だった
疑問は全て聞くことができたし
私たちの思いは
主治医に正しく伝わったと思う
待合で次の予約の日程表を待っていると
顔見知りの看護師さんが来られた
「こんな大変な決断をしてこられて…
お母さんは大丈夫？食べたり寝たり
出来てますか？
しんどい時はいつだって話して欲しい」と
辛くてどうしようもない気持ちを
たとえ話さないとしても
そう言って気にかけて下さるのが嬉しかった
前日、息子と外来で術後の抜糸にきていた
手術をしてくれた脳外科の先生がテープと糸を外していく
恐る恐る見てみると眉毛の辺りに
あまり目立たない傷口
先生ありがとう神の手やねと笑い合った
診察室を出る際、尋ねた事
「この先また腫瘍を摘出手術をする可能性はありますか？」
「もうないと思います」と
そうよね…わかっていたけど聞いたのよ
2度も息子の頭から悪いデキモノを取ってくれて本当に有難うございました
との気持ちを込め頭を下げて診察室を出た
さあ、方向は決まった
あとは主治医がベストな計画を練ってくれる
それに従って進みながら
私たちに出来ることは
息子の時間を豊かで幸せなものにしていく事
急に毎日「何食べたい？どこいきたい？
なんか欲しいものある？」とか言い出す親に
ちょっと⁇⁇ってなる？
結果 ならんかった 笑笑
彼の良いところはとても素直なとこ
カキフライとかポテサラとかコロッケとか
メンチカツとか牛すじ煮込みとか
(まあまあ面倒くさい感じのやつ 笑)
毎日遠慮なくリクエストしてくれてね
旅行は？ホテルは？つぎはどこする？
飛行機乗りたい‼︎
おっいいねぇー母さんも乗りたい‼︎
「伊丹のラウンジ行ってな
俺はコーラな、母さんはビール呑んで
飛行機ずっーと見とこうや‼︎」
「プールあるとこ！温泉もいいな！
ラウンジあるとこがいい！」
っていくらでも出てくる
「携帯ケース、スニーカーも欲しいな！」
彼が望む事は全部したくなる
時々調子に乗りすぎて
あれやこれやしつこ~く言ってくると
今まで通りガツンと怒られてちょっと
シュンとなってるね 笑笑
まあきっとこれが当たり前の幸せな日常
久々に皆で私の母のお墓参り
「母さ~ん、まだまだこの子連れて行かんといてやー‼︎」とがっつりお願いしてきた
2年と決まったわけでは無いし
こればかりは誰にもわからないこと
楽しみ沢山見つけて笑顔いっぱいで
美味しいもの食べて行きたいとこ行って
教えて頂いた野菜スープも飲んで 笑
免疫ガンガンあげてこー
夕飯後、急にアイスが食べたくなったと
2人で散歩がてらコンビニへ
入院を選ばなかったからこそ
こんな事もできる小さな幸せ
息子チョイスはスイカバー
スイカは苦手なくせに
めちゃくちゃ美味い らしい 笑笑
先の事はだれにもわからないから
まだまだ抗っていきたいと思う