いつの日か読み返す日がくると思うから


何を選択してもきっと後悔するけれど

今の思いを自分の為に残しておこうと思う



主治医からのインフォームドコンセント


ある程度予想していた話とはいえ

実際に目の前に突きつけられると

想像以上にきつい…



積極的な治療の話にももちろん心が揺れた

どれだけかはわからないが

確実に命は伸ばせる


が、1番守ってやりたい生活のQOLを

どこまで保てるかはまたべつのはなし

ましてや目が見えなくなるかもなんて

想像すらできない


主治医にICの際にたずねた

「18歳くらいの患者さんには

 全て本当の事を知らせるのですか?」


「ご両親の意向もありますが基本私は

   18歳ならば本人に正しく告知します。

   最期まで後悔して欲しくないから」と


「最期まで後悔しない…」

なんて言われたら急に息子の時間が

限られたものに感じてきて

一気に恐怖の闇に…怖い本当に怖い



息子は知的障がいがあるため

3年前も今現在も

自身の病について詳しくはわかっていない


「頭の中に悪いできものが出来て

それを取らないといけないから」

と説明し今まで手術や投薬、放射線をやってきた


今回も

「残念ながら前と同じ悪いできものが

できてしまってな

また治療頑張ってもらわなアカンねん」

と主治医から説明してもらった


「うんうん、わかったから…」と

遠くの方を見てただ頷いていた息子


実際の所どれだけわかっているのかは

わからない

でも "治療をしなければいけない" という事は理解している


例えばスマホで自身の病気について

調べるという事もできないし

限られた時間であるという事も理解が難しい


言葉をつくして息子にわかる様に

話すべきなのか?


いやいやそんな事息子に知らせるなんて

とうてい私にはできない…


ましてや今現在わたし自身が

この事実に気持ちが追いついていない


1つだけ息子に尋ねた事

「ちょっと長い入院になるかもやけど

母さんもずっと一緒に病院に居てるから

治療頑張ってみーへん?」


みるみる表情がくもり

「なんで?なんでなん?  

入院は絶対に嫌、外来じゃあかんの?

そんなん言わんといてや

入院は絶対に無理‼︎」


そうよなわかってた

そう言うよな…わかってたよ


わたしの思いはもう初めから決まっていたよね


夫はどう考えているかな

多分わたしと同じよな


いや、もし違ったら…

きっとその時は私の思いが優先されるはず



今現在も時折気持ちが揺らぐ

本当にこれで良かったのか?

もし本人が全て理解していたら

何と言うだろうか?

もしわたしが彼の立場なら

どう考えるだろうか?


考えても答えのない事ばかり

それでもやっぱり気持ちが揺らぐ



  一時退院中に一緒に散歩していて


初めての4月分のお給料を

事業所から頂いたので

自分の財布に入れて

自分で買うのがめっちゃ嬉しい息子


こんな何でもない日常を

ただただ過ごして欲しい

本当にそれだけを思っている


息子が楽しいと思える事

たくさんたくさん積み重ねて

笑顔で過ごせる日を1日でも長く


どうか見守り続けさせて下さい