さかえ立佞武多・絵師 小山内 圭宵
五所川原市長賞・第1位


以前は3人の制作者が交代で大型立佞武多の新作を手掛けていたが、現在の制作者は1人。組み上げまで全体像がつかみにくい巨体、安全性を重視した緻密な設計を含め、関係者は「人材は一朝一夕に育たない」と口をそろえる。
現在唯一の制作者である鶴谷昭法さんは「25年はこの先へ向かう通過点」と冷静に指摘。「立佞武多が続いていくためにも、今は自分のできることをしっかりやるのみ」と語る。
囃子方や引き手不足も課題。某運行団体関係者は「町内会のコミュニティーは機能していても弘前のように祭りと連動できていない」と話す。「祭り好きの子どもから大人となり、自分の子どもに参加させるサイクルを地域で構築しなければ、祭りの裾野は細る」と懸念する。
囃子方の育成に向けては25年の節目を契機に、五所川原青年会議所などが今年、子どもたちに練習の場を設けて運行に参加してもらう「親子de立佞武多」を実施。会議所担当理事の松谷朋典さんは「まずは祭りの一体感を味わい、今後も参加してもらえるような息の長い取り組みになれば」と期待を寄せた。


