




孀婦岩を最初に発見したとされるイギリスの海軍大尉は、その神が宿ったような景観から旧約聖書の逸話から引用した「ロトの妻」と呼び、古くから船乗りや漁師たちの信仰の対象としても崇められてきました。
現在、孀婦岩の管理は東京都に属する八丈支庁が行っており、単なる岩礁ではなくどこの市区町村にも属さない「無人島」とする人も少なくありません。
海上保安庁が公開している海域火山データベースによると、孀婦岩は噴火が繰り返してできた成層火山とされていますが、その詳細は現在も一切不明となっています。
孀婦岩は水深2,500mから隆起している孤立突岩です。海洋地質学者によると孀婦岩は海底から続く巨大なバースデーケーキのような地形の上に1本のロウソクが立っている状態です。孀婦岩のような突岩は世界的にも珍しく、多くの研究者や冒険家が熱い視線を注いでいます。
大海原にポツンと突き出た孀婦岩のような場所は、小さい魚たちにとっては唯一の生息場所となり、海流に乗って大海原を回遊する魚たちにとって溜まり場となるため、非常に豊かな生態系が育まれます。
