


大きく流れを変えたのが7回裏、守りのビッグプレーだった。6回途中から2番手で遊撃手の仲井慎(3年)が登板。
この回、安打と仲井の犠打エラーで無死一、二塁のピンチを背負った。続く打者もバント。小飛球の打球をキャッチした仲井は素早く二塁へ送球、一塁にも転送してトリプルプレーでピンチを脱した。
夏の甲子園での三重殺は2013年の愛工大名電(愛知)が聖光学院(福島)戦で成功して以来、9年ぶり9度目。仲井は「(三重殺は)練習の中で投内連係をやってきた。それがうまく出せたと思います。流れがこっちに来た」。
坂原秀尚監督(45)は「送らせて1死二、三塁は考えてなかった。野選でも三塁で仕留めにいく練習をしてきた。流れを変えるプレーになった。三重殺は監督をやっていて初めてです」と興奮を隠さなかった。
手に汗握る好ゲームにSNS上でもファンの思いが沸騰。ツイッターのトレンドワード1位には「下関国際」が輝き「#高校野球」「#甲子園」が続くなど高校野球関連が上位を独占。
さらに「ナイスゲーム」と好ゲームを称える声のほか、「ジャイアントキリング」、「番狂わせ」など圧倒的強さを誇った大阪桐蔭の敗戦に驚きの声も上がっていた。
大会前から絶対王者と見られた大阪桐蔭が下関国際に敗れてしまった。二松学舎戦で見せた大阪桐蔭・川原のピッチングを見て、どえらい投手で打てそうもない。今年も大阪桐蔭か?と思ったものだ。
下関国際が大阪桐蔭と対戦したタイミングも良かった。まだ投手に余力があるベスト8での対戦で、下関国際・仲井慎も打者をにらみ、140キロ超の直球を投げ込む。逆転された直後の9回裏、大阪桐蔭に再逆転する余力は残されていなかった。
この下関国際の戦いぶりを見て、決勝に勝ち進むかも知れないと確信した。この時点で準決勝のクジは下関国際と近江が対戦することが決まり、東北勢は決勝まで下関国際と対戦しないことが確定したのだ。
