
時代劇で妖怪物、というかなり特殊なジャンルとして発表されたが、手塚治虫が雑誌で語っているとおり、その暗さから明るいものばかりの漫画の中で当時の読者に受け入れられにくく不人気であった。また打ち切りとアニメ化に伴う再開と掲載誌の変更もあったが相変わらず不人気で構想の通りのラストまで描けず、打ち切りによくあるナレーションで今後の結末を示すという形で幕を引いた。内容は手塚得意のバラエティ豊かなドラマ、特に戦争に対する庶民の怒りが語られ、1つの村が隣国同士の争いに巻き込まれて「ばんもん」という壁に分断されてしまう『ばんもんの章』はベルリンの壁や板門店に対する強烈な風刺で描かれている。