超新星の内部核 | スチャラカでスーダラな日々

スチャラカでスーダラな日々

故・植木等氏の御冥福に因んでkeiのスーダラな日々を紹介します。故人の映画のようにスイスイと軽妙な人生を送りたいものです☆彡

超新星の内部核
超新星の内部核

初期の宇宙では、元素はほとんどが水素とヘリウムの同位体で、わずかにリチウムとベリリウムの同位体が存在する程度だった。それよりも重いホウ素、炭素、窒素、酸素、珪素や鉄などの元素は恒星内部での核融合反応で生成し(s過程)、超新星爆発により恒星間空間にばらまかれた。そして、鉄よりも重い元素は超新星爆発時に生成したと考えられている(r過程)。これに加え、超新星爆発による衝撃波は星間物質の密度にゆらぎを生み出し、新たな星の誕生をうながしている。また、炭素の同位体比から超新星爆発時に合成されたと考えられるダイヤモンドなどの粒子が、隕石の中から発見されている。

系外銀河の観測により、一つの渦状銀河内での超新星の発生頻度は数十年に1回と考えられる。我々の銀河系も同様のはずであるが、1604年以降発見されていない。銀河中心核をはさんだ反対側に出現したり、地球近傍でも濃い星間雲に隠されたりして見えなかったためと考えられている。系外銀河に出現したものは遠すぎて通常は肉眼では見えないが、1987年、銀河系の伴銀河である大マゼラン銀河で超新星SN 1987Aが出現し、肉眼でも見える明るさになって、精密な観測がなされた。その際、発生したニュートリノが日本のニュートリノ観測施設カミオカンデによって検出され、ニュートリノ天文学が進展することとなった。このカミオカンデにおける成果が認められ、小柴昌俊は2002年度、ノーベル物理学賞を受賞している。

鉄以上の元素形成は超新星の内部核では生成しえない。これは超新星爆発の爆発によってできた衝撃波が宇宙空間とぶつかることで金や銀が生成されると推測されている。超新星爆発が立て続けに起こることでウランまで形成される。これら元素が全てそろった地球は宇宙的に見ると新しい惑星であり、数度の超新星爆発によって形成されたものと推測される。

超新星残骸N63A
超新星残骸N63Aは、大マゼラン星雲のガスと塵の塊の領域内にある