John Wood and Paul Harrison | スチャラカでスーダラな日々

スチャラカでスーダラな日々

故・植木等氏の御冥福に因んでkeiのスーダラな日々を紹介します。故人の映画のようにスイスイと軽妙な人生を送りたいものです☆彡

John Wood and Paul Harrison

John Wood and Paul HarrisonEテレ「2355」のコーナーに「1 mitute gallery」があります。動画を見て戴けたら分かるのですが、この映像にはどこかシュールレアリズムが漂っています。

1993年に共同制作を始めたイギリス (UK) 出身の2人組、 John Wood & Paul Harrison は全てビデオ作品を紹介しています。

1km (2004) では他に何もない部屋の中で黒い服を着た一人の男が台のの上に整然と積み上げられたA4判大と思われる白い紙をグラインダ様の機械を使って一定方向に一定の速度で床に一枚一枚バラまいていく様子を固定カメラで捉えた作品。タイトルの1kmは、おそらく、積み上げた紙のバラまく方向での総延長を意味していると思われる。単純な動作 (とその反覆) とそれに対する物体の動きを固定カメラを使いミニマルに撮影することにより、その物理的特徴 (例えば 1km という長さ) を表現してみせる。それ以外にほとんど意味の無い動作と物の動きが生み出すナンセンス・ユーモアに限りなく近い面白さが、彼らの作品の魅力。

We Are Always Trying Not To Repeat Ourselves - Fiona Mail - 2009

1km ではカメラのアングルは少々部屋の奥行きを感じさせるものだが、多くの作品では、むしろ部屋の奥行きや高さ (深さ) を感じさせないよう壁や床の中央に正対するように置かれている。その不自然なアングルが、逆に、画面の中で起きる出来事を少々意外に感じさせる。ミニマルな演出はその意外さを際立たせていてもいる。それも、彼らの作品の魅力になっている。

そういった彼らの面白さを堪能できる作品は、今回の展示の中では約30分の比較的長い作品 Hundredweight (2003) だろう。床も壁も真っ白な長方形の部屋を天井の中央に床に正対して設置された固定カメラが捉えた映像が、床に投影されている。それを観ると、まるで部屋を上からのぞきこんでいるように感じる。映像はその中で行われる様々なパフォーマンスの短いセクションをループ状に繋いだものだ。各セクションは1分足らずで、全部で36セクション。部屋の広さ、高さ、その時々に置かれている物体の特徴等を浮き上がらせるような、単純な動作からなるパフォーマンスが行われる。 36のアイデアも多様で、それぞれのセクションはミニマルながら30分見続けていても飽きなかった。むしろ、次はどうするのだろう、と観ているものを引き込む強さすら感じた。特に気に入ったセクションは、床の一部に青く染めた水を撒きそこに部屋を照らす蛍光灯を浮かび上がらせたものと、部屋の上部を覆う透明なビニールシートを部屋の一角に置かれた箱に引き摺り仕舞込むというものだ。

by John Wood and Paul Harrison
欧米人から見ると、なでしこジャパンは上の写真のように見えるかも知れない