
主成分である日局木クレオソートは、医療用医薬品としては歯科領域における鎮痛鎮静や根管の消毒用としてのみ許可されている。一方、一般用医薬品としては、下痢、消化不良による下痢、食あたり、はき下し、水あたり、くだり腹、軟便の効能が許可されている。木クレオソートは強力な殺菌防腐剤であり、高濃度での長時間作用は細胞を破壊し壊死させる性質を持つことから、正露丸の注意書きには「皮膚に付着したらせっけんおよび湯を使ってよく洗ってください」と書かれている。歯科で使用する場合にも、誤って粘膜に触れた場合は直ちに洗浄を行うこととなっている。
このような性質から、正露丸はしばしば「危険な薬」であると指摘されることがある。実際に腸炎で入院した患者を調べたところ、腸の内壁に正露丸が付着し、炎症が起こっていたという症例報告もある。これらの指摘を受けて、現在大幸薬品から発売されている正露丸では腸壁に付着しにくいような小粒で柔軟性のある球状のコーティングがなされている。
…特に腹を下しやすい体質なので、正露丸は欠かさず持つようにしています。