また唾液を分泌する口腔腺にも3種類あり、漿液(しょうえき)腺と粘液腺と混合腺からなっている。
唾液腺の種類 唾液に占める割合大口腔腺と小口腔腺から分泌される唾液を混合唾液と呼び、成人1日あたり1~1.5リットル分泌される。
大口腔腺・・・・・耳下腺(漿液腺)------------22~30%
舌下腺(混合腺)------------ 2~ 4%
顎下腺(混合腺)------------60~65%
小口腔腺・・・・・口蓋腺(粘液腺) --
舌腺(混合・漿液・粘液) |
口唇腺(混合腺) |-これら全てが10%未満
頬腺 (混合腺) |
臼後腺(混合・粘液) --
安静時は1時間で0.5~111.0mlと個体差がある。性差は無く、加齢と共に分泌量が減少(女性で著明)する。
また夏場は唾液の分泌が少なく、秋から春にかけて唾液の分泌が活発になる。睡眠時は唾液の流出が減少する。
唾液の保護因子
唾液の保護作用 関係する因子 備 考
phと緩衝能 重炭酸塩(主な成分)80%・・・・急速に流出している唾液ほどph値と
リン酸塩 15%・・・・重炭酸塩濃度が高くなる
蛋白質・・・・・・・・・・・・・菌とくっつく
尿素
機械的清掃作用 唾液流出率
(洗浄・希釈作用) 細菌凝集性因子・・・・・・・・・糖蛋白質やIgAなど
エナメル質溶解阻止作用 カルシウム・・・・・・・・・・・ペリクル形成
リン酸塩・・・・・・・・・・・・リン酸カルシウム塩の飽和または
蛋白質 過飽和溶液状態の維持
フッ素・・・・・・・・・・・・・再石灰化促進作用
抗菌作用 分泌型IgA(免疫抗体)
ペルオキシターゼ
チオシアン(SCN-)イオン
過酸化水素(H2O2)
リゾチーム
ラクトフェリン

口腔乾燥症は、種々の原因によって唾液の分泌量が低下し口腔内が乾く、歯科疾患の一つ。
ドライマウスと呼ばれる。現在では自覚症状として、口腔乾燥を訴えるすべてをドライマウスとすることも多い。日本における罹患者は800万人程度と推定されている。