
北限の海女が暮らす岩手県久慈市の小袖海岸。陸中海岸国立公園は1955年、東北地方の太平洋岸に指定された国立公園で、北は久慈市から南は宮城県気仙沼市まで延長約180キロにまで広がる。寒暖両流に洗われる海岸は好漁場で、沖合いはクジラ、マグロ、カジキ、カツオ、サンマ、イカ、イワシなどが水揚げされ、沿岸はアワビ、ワカメ、ウニ、ホヤなどが採れる。その他、流入河川のサケ漁も盛ん。この小袖海岸には「かつぎ」と呼ばれる、磯のウニやアワビを素潜りで採る漁法を伝承する「北限の海女」たちがいる。

獲物は深いところに多く、潜りの技術が即収穫量に響く。一息の長さは、そう差の出るものではなく1分ぐらい。上手な人は腕の一掻きで2m近くも潜り、素早く浮上する。下手な人は浅い場所でしか採ることができず、逆に上手な人は深場の良いポイントで採ることができる。それでも潜っていて藻が身体に絡まり身動きができなくなったり、ヤツカリが狭い岩場に引っかかるなど危険なこともある。

是非、数多くの方々に北限の海女の「技」と豊かな漁場に育まれた旬の「ウニ」の味を堪能していただきたい。
小袖海女センター
素潜りに使用する道具などが展示されている。店員はなんと海女さんで、潜りについて色々な話を聞くことができる。ウニの素潜り実演は、海女一人につき5,000円(要予約)
開設日/7~9月(期間中は無休)
営業時間/9:00~18:00
所在地/久慈市宇部町小袖
問い合わせ先/0194-54-2261(期間外は、久慈市商工観光課0194-52-2111へ)