
プラズマ (英:plasma) とは、「荷電粒子群が不規則な熱運動をする力学系のなかで、全体として電気的に中性でプラズマの3要件を満たすもの」をいう。
ギリシア語で「形作る」を意味する πλασμα を語源とする。原義では宗教用語としても使われており、「神に創造されたもの」といった意味で神秘的・霊的なものとも結び付けられていた。現在でも心霊主義ではエクトプラズム (ect plasm) という言葉が使用される。
プラズマ (plasma) はその歴史的な背景から、一般には気体が電離したものとして認知されている。身近にある炎の中では通常の気体を構成する中性分子が電離して、正の電荷をもつイオンと負の電荷をもつ電子とに別れて自由に飛び回っている。全体として電気的に中性な系であるが、構成粒子が電荷をもつため、粒子運動がそれ自身のつくり出す電磁場と相互作用を及ぼしあうことにより、通常の中性分子からなる気体とは大きく異なった性質をもつ。 そこで気体とは別の物質状態であるとして、これにプラズマの名が与えられている。

現在では、プラズマ現象と固・液・気体間の第一種相転移の概念はまったく別のものとして確立され、プラズマ物理では炎やオーロラなどの電離気体から固体中の電子振動(プラズモン)まで、広い範囲の現象が取り扱われている。

我々の生活に必要不可欠な火(燃焼炎)もプラズマの一種である。他に強力な磁界をもつ高圧鉄塔の電線の周りには同心円状にプラズマが発生する。地下水脈で水が勢いよく岩盤にぶつかることでもその空洞内に発生すると言われている。
電離層、オーロラ、太陽(恒星の内部)、太陽風(コロナ)、星間物質、科学博物館によく展示されているプラズマボールなどもその例である。
2006年9月に打ち上げられた太陽観測衛星「ひので」によって、恒星を取り巻くプラズマ化した大気の中で起こっている活発な現象を、より詳細に観測・研究できるようになった。