炎天下の皆既日食・観測編3 | スチャラカでスーダラな日々

スチャラカでスーダラな日々

故・植木等氏の御冥福に因んでkeiのスーダラな日々を紹介します。故人の映画のようにスイスイと軽妙な人生を送りたいものです☆彡

三塘湖の悲劇…撮影miyu様(12)ピンポイントに曇られたコロナ
観測地の気温は、42℃から食分90%になると36℃まで下がっていました。この間、本影錐用の撮影機材2台が動作せず悪戦苦闘していました。拡大撮影用のカメラで皆既日食の瞬間を迎えるしかない状況となりました。

それなのに欠けた太陽は、午後から水蒸気のせいで発生する日食雲に覆われはじめました。何とか雲が抜けることを祈りながら写真を撮り続けていたのですが、三塘湖の悲劇…撮影miyu様ついに雲の向こうで皆既日食がはじまりました。企画者として、1年半も前から綿密な計画を立てた結果がこれか…

…コロナが見られることを主目的としたので、本影錐の写真も失敗しました。何とかピントを合わせようと雲間のコロナを狙って500mmF8でピントを合わせてから2倍のテレコンバーターを付ける予定が、雲間からダイヤモンドリングが現れました。三塘湖の悲劇…撮影miyu様何としても皆既日食を見た証を残したい一心で気力を絞りながら撮影しました。現像された結果は、右から下に四番目でupしました。

ファインダー越しに、ベイリービーズが数珠のように連なっている様子が確認出来ました。初めて生でコロナを見ることが出来なかったので、茫然自失でした。

それと同時に企画者として私を信用して参加された皆様に雲間からのダイヤモンドリング申し訳ない気持ちで一杯となり、この場から逃げ出したくなりました。冷静に考えるとバスで逃げるしか道がなかったので、それは諦めて抜け殻状態のまま部分日食を撮影していました。早く部分日食も終わればいいとさえ思っていました。

テントに機材一式を置いて、食堂に使っているテントへ向かいます。皆さん残念そうな表情です。それでもデジカメを持っている方がプロミネンスとダイヤモンドリングを皆さんに見せていたので、撮影が成功された方から頂いたコロナの写真改めてダイヤモンドリングを確認したと同時に安堵感で一杯になりました。

デジカメは結果がすぐ出て失敗作は消すことが出来ます。でも大気の空気感とコロナやダイヤモンドリングのコントラストを微細に表現するには銀塩FILMが一番なので、これからも使い続けることにします。抜け殻なので夕食もそこそこに切り上げて、熱さにやられたのでテントの脇でゴザを敷いて横になりました。薄明の空を眺めながら、そのまま宙を見つめています。やがてまた夜が砂漠にやってきました。
伊吾(イーウ)で撮影されたコロナ        
   皆既日食観測日   皆既日食の地域名称    場所と地域       天候  撮影
◎1988. 3.18 小笠原沖 皆既日食 (東アジア・父島南東沖)  晴れ  眼視
○1991. 7.11 メキシコ 皆既日食 (北米・カリフォルニア半島)快晴  失敗
×1992. 1. 4 アメリカ 金環日食 (北米・ロサンゼルス沖)   曇   不可
○1994.11. 3  チ リ  皆既日食 (南米・チリ北部)     薄曇  失敗
○1995.10.24  タ イ  皆既日食 (東南アジア・タイ東部)  快晴  成功
○1997. 3. 9 シベリア 皆既日食 (北アジア・シルカ郊外)  快晴  成功
○1998. 2.26 ベネズエラ皆既日食 (南米・ベネズエラ西部)  快晴  普通
○1999. 8.11 ブルガリア皆既日食 (ヨーロッパ・黒海近郊)  快晴  失敗
○2001. 6.21 ザンビア 皆既日食 (アフリカ・首都ルサカ)  快晴  成功
◎2002.12. 4 オーストラリア皆既 (オセアニア・豪州南部)  快晴  普通
△2005. 4. 8  パナマ金環皆既日食 (中米・パナマ西部の街)  薄曇  普通
○2006. 3.29 リビア  皆既日食 (アフリカ・サハラ砂漠)  快晴  失敗
〓2008. 8. 1 巴里坤  皆既日食 (中国・巴里坤県国境近く) 薄雲  失敗
○…第一接触~第四接触観測 ◎…第一接触~第三接触観測 ×…観測不可 〓…コロナの瞬間曇り
△…食分70%前後は薄雲越しに観測可能 撮影の成功は雑誌に掲載されるレベルの写真
巴里坤報道が放送した皆既日食のニュースはmms://vod.hami.cn/hmtv/blkxw080802.WMVをクリックすると約16分間の映像が見られます(リンク切れ)。巴里坤市街では雲の影響を受けずにコロナが見られたそうです。前もって結果が分かっていたら巴里坤市街で観測していました(>_<)

皆既日食に伴う本影錐の移動(三枚組写真)は、三塘湖の悲劇と題されたうみほしさんの写真を許可を得て使用させていただきました。

ちなみに本影錐とは大地に映った月の影のことで、うみほしさんの写真で月の影の移動する様子が良く分かります。

右下4枚目の写真と記事は弊ブログ管理者が撮影・執筆