篠笛 (しのぶえ) は日本の木管楽器の一つ。篠竹(雌竹)に歌口と指孔(手孔)を開け、漆ないしは合成樹脂を管の内面に塗った簡素な構造の横笛である。伝統芸能では略して「笛」や「竹笛」と呼ばれることも多い。尺八やフルートと同じく「エアリード楽器」に分類される。
「篠笛」は、竹の割れ止めに藤を巻いて漆を塗る以外ほとんど装飾することなく、竹そのものといった簡素な姿をしている。これは「篠笛」が庶民階級の間で愛好されてきたことが大きな理由であろう。貴族や武家など上流階級が用いた「龍笛」「能管」では、巻き・塗りなど手間のかかる装飾が施されていることが「篠笛」との大きな違いである。
「篠笛」は庶民の楽器であるため、外見(巻きの有無・多少・素材、塗りの程度・色)、指孔の数(「六孔」「七孔」)、長さ、調律の種類(バリエーション)が数多く、日本各地に多種多様な「笛」が存在する。
楽器として見た「篠笛」は横笛の一種であり、洋楽器のフルート属とよく似ている。音階や運指などに違いはあるが、原理的には「フルート」の管を竹にして「キー装置」を取り去り、音孔の数を人間の指の数に合わせ、押さえやすい長さにしたものと考えてよい。
日本で一般的に「お祭の笛」といえば、「篠笛」を意味することが多い。地域によっては「龍笛」「能管」「神楽笛」その他独自の笛を用いる場合もある。
和太鼓や鉦などの打楽器と共に用いられ、「祭囃子」「神楽」「獅子舞」の「主旋律」(メロディー)を担当する。旋律といっても、祭囃子用の篠笛は演奏と作成の容易さを優先して指孔が等間隔に開けられているものが多く、邦楽の音階にも洋楽の音階にも当てはまらない。平均律とは異なる微分音を含む音階になる。
この祭り用の横笛を作り続けて30年の職人が、弘前市和徳町で「福士笛店」を営む福士重造さん(58)です。彼は、昨年の弘前ねぷたまつりで優れた保存継承者を表彰する「弘前ねぷた保存会長賞」を受賞しました。裏方に徹して祭りを支え続けてきた福士さんですが、全国からの依頼も多く大量生産品にはない微妙な音色を表現できる福士さんの作品を買い求めるファンは数多いです。