コンサーティーナ アコーディオンの一族に属するフリーリード楽器の一つで、六角形ないし八角形の小型の手風琴(てふうきん)である。欧米の民俗音楽などでよく見かける楽器である。英語名はconcertinaであるが、日本語ではまだ固定した表記が無く、コンサティーナ、コンセルティーナ、コンサルチーナなど様々に表記されているため注意を要する。
六角形(ないし四角形、八角形、十二角形など)の形状をした左右の箱の側面に、ボタン式の鍵盤(キー)が並んでおり、その間に蛇腹(ベロー)がついている。その蛇腹の押し引きで空気を内部の金属リードに送り、ボタンを押すことによって発音する。ボタンの配列は、蛇腹を押したときと引いたときで違う高さの音が出る押し引き異音(ダイアトニック式)と、押したとき、引いたときに同じ音が出る押し引き同音(クロマチック式)の二種類に大別できる。
イングリシュ・コンサーティーナ(右上の画像)
押し引き同音式。ピアノでいう、黒鍵と白鍵に相当する音階のボタンが20から56まである機種があり、ほとんどの半音 (#/b) が出る。押し引き同音で多くの音が早く出せるため、蛇腹は比較的短い。蛇腹操作の特性上、なめらかな曲を弾くのにも向いている。和音も演奏できるが、ボタン配列の特性上、一般には、バイオリンのように旋律部分だけを弾くことが多い。