猫はその日旅に出た
以前から決めていたように
天気の良い透き通るような
青い空の日だった
その日、猫の家は空になった
猫は常にいじめられていた
ある日はカラス
ある日は人間の子供に
いつしか猫は自分以外の存在を
拒絶し否定するようになった
孤独な猫
かわいそうな猫
でもある日
唐突にその日は来た
薄汚い野良猫に拾い主があらわれた
夕焼けの空
君は誰かと一緒にいるのかな
今は大切にされているのかな
あの時は幼い僕が
幸せにできなくてごめんね
でも本当に好きだったんだ
もう今はあたたかい居場所を
見つけられたかい
もう寒くはないかい
新しいご主人様は
焚き木をしてくれるかい
あの日の自分にそう
問いかけてみる