僕だけがいない街

SS小説

広美×加代

本編ネタバレあり




君はいつも窓の外を見てる

席がない

ここにはいない

この街にはいない人のことを

いつも君は待っているんだ

それがわかるのはきっと

いつも君を見ている

僕だけなのだろう

なぁ、君の待ち人はいつになったら

来るんだい?



中学2年生になった君は

虐待を受けていた

ひとりぼっちだった

小学5年生だったあの頃とは

うってかわって

優しい祖母の元から学校に通って

友達も出来て

すっかり綺麗に

大人っぽくなった

僕には届かない場所に君はいってしまった


また今年も長い長い

冬が始まる……



また君の待ち人の来ない

季節が始まった。



「僕、ヒナのこと好きなんだけど……


本当は、悟がかえってくるまで

言わないつもりだった。

正々堂々と勝負をしたかったから。


でももう抑えることなんてできない


「突然そんなこと言われても、広美君のことは友達としてしか見たことがなかったし


「ヒナはさ、好きな人とかいるの?」


「いるわけないじゃん!そんな人!」


ヒナはそう言いつつ真っ赤だった。


それからヒナの僕を見る眼差しが変わった。

ヒナは僕を男子として意識するようになった。