海外の取引先と雑談する時は
政治、宗教、家族、性的嗜好などを
話すことがタブーというのはよく言われます。
アメリカの市井の話題にも「大統領選の支持者が違う家族と一緒にいるのが苦痛」
「彼と宗派が違うのだけど結婚しても大丈夫?」なんて話題が見られるので
古いマナーの教科書の話ではなく、本当に気をつけないといけないところです。
(家族の話は、相手が「うちの息子はフットボールをやっていて・・・」などと
自分から話題にすれば、のっても大丈夫です。)
ビジネスメールも同じことが言えます。
世界的にパンデミックが問題となっている現在、
相手やその身近な人々を気遣う言葉をかけたり、
町の様子を尋ねたり、要は、事実に即したやりとりをすることは
許されます。
けれど、「XX国がウイルスをまいたに違いない」とか
「〇〇国民の行動は迷惑だ」とか
個人的な見解や意見を書くのはご法度です。
もしかすると相手の家族や祖先がXX国や○○国の人だったら?
そんなことを言われたら取引もスムーズにいかなくなってしまいます。
クライアントの依頼文に、そんなやっかいな文章が入っていれば
私は事実に即した中立的な文章に修正してしまいます。
いや、年配の方の文章には本当にそういうことが書かれているのですよ💦
私の場合おつきあいが長く任せてくださるクライアントには特に断りもいれませんが、
成果物をきっちりチェックしてくるようなクライアントであれば
「国際的なビジネス文として相応しくないため
事実ベースの文章に変更しました」
などとコメントを残せばよいです。
ただ訳すだけではなく、時にはクライアントを教育することも
翻訳者には必要です。
Stay health!