鏡を見て驚いた。
そこに居たのは、これまで見たことの無い自分。
“どうしちゃったのよ、オレ?”
鏡を見た瞬間、思わず口をついて出ていた。
すっかり頬はこけ、まぶたの肉が落ちたせいか、目も少しばかり大きくなったような気がする。
もっとも肉が落ちたせいで、多少小じわが増えたのと、肌の張りが失われてしまったけどね。
体なんて、二回りも萎んじまった。
こんなにスリムになったのは、約30年ぶりのことだ。
しくし、いくら食事療法を続けているとはいえ、こんなに痩せてしまっても良いもんなのか?
24歳の頃、風疹をこじらせて入院した時だって、確かに痩せはしたものの、こんなに激痩せはしなかったというのに・・・。
医師に指示された目標体重まで、あと5kgを残すのみ。
晴れて目標体重まで落としきったとき、果たしてどんな顔付きや体格をしているのか、今からちと不安ではある。
まぁそれでも、イケメンになってモテ期到来ってわけにゃいかんわなぁ。