住宅のプレゼンテーションや意匠設計に3Dが使われ始めてから、もうかなりの年月が経ちました。
住宅向け3Dソフト「3Dマイホームデザイナー」が登場したのは1996年。
SketchUpが登場したのは2000年頃です。
つまり住宅業界では、20年以上前から3Dで空間を確認する技術が存在していることになります。
それにもかかわらず、住宅の打ち合わせは今でも
・平面図
・立面図
・パースは外観イメージ1枚だけ
といった「図面」を中心に進められるケースが少なくありません。
もちろん図面は建築にとって欠かせない資料です。
しかし住宅営業という視点で考えると、図面だけで空間を伝えることには限界があります。
なぜならば、住宅は「まだ存在しない商品」だからです。
【住宅営業の本当の仕事】
どんな業種にも関わらず、営業の役割は
・契約を獲得すること
・予算をまとめること
・施主の意思決定を前に進めること
です。
その中で、住宅は人生で最も高額な買い物の一つです。施主は簡単には決断できません。
そのため住宅営業は、「まだ存在しない住宅をイメージさせながら契約に結びつける」という非常に難しい仕事をしています。
また、実際の住宅会社では
・営業
・プランナー
・設計
・インテリアコーディネーター
といった複数の職種が関わります。
図面の説明を営業が行う場合もあれば、設計やプランナーが行うケースもあります。
つまり住宅営業の本質は「図面を説明すること」ではなく、「施主の意思決定を前に進めること」なのです。
【図面打ち合わせで起きていること】
住宅の打ち合わせでは、ある現象がよく起きます。
それは、「なんとなく理解した」という状態です。
多くの施主は図面の読み方を学んだことがありません。
それでも打ち合わせでは
・プロに対する遠慮
・理解していないと言いにくい雰囲気
・想像した気になってしまう心理
などが重なり、施主が「理解したつもり」のまま話が進んでしまうことがあります。
住宅会社側も、施主が理解している前提で打ち合わせを進めます。
こうして住宅の打ち合わせでは「理解」ではなく「理解したつもり」のまま家づくりが進んでいくことが少なくありません。
【3Dが変える意思決定】
3Dを使うと、この状況が大きく変わります。
図面では想像するしかなかった空間を「その場で確認できる」ようになるからです。
例えば、
・家具を置いたときの広さ
・キッチンからリビングの見え方
・窓からの光の入り方
といったことを、打ち合わせの段階で共有できます。
つまり3Dは、「プレゼンツール」というより、「意思決定を助けるツール」と言えるでしょう。
施主が「この家に住むイメージ」を持てるようになると、打ち合わせは一気に前に進みます。
【図面営業から空間共有へ】
従来の住宅営業のプレゼンは「図面を説明する営業」でした。
しかし3Dを使うと「空間を共有する営業」へと変わります。
営業が一方的に説明するのではなく、施主と同じ画面を見ながら
・家具を動かす
・間取りを調整する
・色を変える
といったことができるからです。
その立場は「よくわからない図面を説明する人」から「空間づくりをサポートしてくれる人」へと変わっていくのかもしれません。
【3Dは営業のツールでもある】
住宅会社の中では、3Dは設計ツールだと思われがちです。
しかし実際には「営業ツール」としての役割も非常に大きいと言えます。
なぜなら住宅営業の本質は「まだ存在しない住宅をイメージさせ、意思決定を前に進めること」
だからです。
その意味で、3Dは住宅営業にとってこれからますます重要なツールになっていくでしょう。