桜の夜俺は桜が嫌いだ。桜を見るのが好き。でも桜を見るのが嫌い。あの日もこんな心地よい過ごしやすい夜だった。もう10年になるんだな。俺の甘い考えと油断と驕り軽い気持ちそのせいであいつをあんな目に遇わせてしまった。あれから毎年この日はあの場所へ行く。あいつを忘れる事はない。でも忘れなかったとしても俺は一生十字架を背負って生きていかなければならない。あれから10年。何年経っても俺の息子はあいつとアイツだけ。ドコかで俺達の事ずっと見守っててくれ。