冬休みに観たイギリス映画の紹介です![]()
2022年制作、2024年にDVD化された作品で、原作は遡る事10年以上前にイギリスでベストセラーになった小説だそうです![]()
その小説は当時日本でも翻訳され本屋大賞にもノミネートされたとか、知りませんでした![]()
![]()
以下粗筋(ネタバレあり)です。
「主人公はハロルド・フライという定年退職した老人、妻モーリーンとこじんまりした一軒家で静かに暮らしている。ある日ハロルドの昔の職場の同僚、クイーニー(女性)から手紙が届き、そこにはガンで治る見込みがなくホスピスに入院したと書かれていた。ハロルドは「お気の毒に」と返事を書きポストに投函するため家を出る。ポストより郵便局の方が早いか、と思い直し街に出る。雑貨屋に立ち寄り売り子と話していると、彼女の伯母がやはりガンだったが元気づけることで望みが湧いた、と聞かされ、直接会って手紙を渡して元気づけた方がいいのではと思いつく。そして(唐突に、しかも着の身着のまま!)ホスピスのある北の街を目指して歩き始める(その距離なんと800キロ!!バスや鉄道もあるのに、何故「歩く」ことを選択したかがいまいち不思議)。一方、妻は夕方になっても帰って来ない夫を心配して待つ。そこへ夫から「クイーニーに会いに行く」と電話があり、何故そこまで彼女に固執するのかと疑い「好きにしたら」と怒って電話を切る。ハロルドはひたすら歩く。最初は安宿に泊まることもあったが、持ってる資金を節約するために納屋で寝たり野宿することに。寝袋も持っていなかったので不用ゴミの中から毛布を調達したり、農家の余り物の野菜を頂いたりして旅を続ける。時に物乞いと誤解されたり、足を痛めて歩けなくなり移民の女性(国では医者)に治療してもらったり、自分は同性愛者だと打ち明けられたり、様々な人に出会い助けられもする。偶然写真を撮られその歩く姿が新聞に載ったことにより一躍有名になり、若者
や犬
や賛同者が一緒に歩き始める。「pilgrim 巡礼」という団体まで作られお揃いのTシャツを着てキャンプをするようになる。だが群衆に付きまとわれることに嫌気がさしたハロルドは再び独りで歩き始める。歩きながら想い出すのは一人息子のこと、ケンブリッジ大学に入るような優秀な息子だったが酒とクスリに溺れ遂には精神を病み自死に至った息子、彼を救う事が出来ずそのために妻と不仲になり、自暴自棄になり会社で大暴れし、その時、罪を代わりに被って退職したのがクイーニーだったことなどが次第に明らかになる。何としても彼女に感謝の言葉を伝えたいと雨と寒さの中を「死ぬな、死ぬな」と呟きながら歩くハロルド、ホスピスに連絡すればシスターがクイーニーは奇跡的に持ち直していると告げられるが、果たして間に合うのか、妻との仲はどうなるのか・・・」
ハロルドの旅は単なるの journeyではなくもはや pilgrimage(巡礼の旅)![]()
![]()
英語のタイトルは“The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry”
で pilgrimage とは「聖地巡りの旅」のこと、
だからと言ってこの映画に宗教的な意図はないように思えましたが、観終わってみると、これはハロルドにとっての贖罪の旅であったことがわかります。
ハロルドを演じたのは「鉄の女」という映画でサッチャーの夫役を演じた俳優、
妻モーリーンは「ダウントン・アビー」のイザベル夫人を演じた女優さん、
草原や丘や森などの美しいイギリスの自然や古い石造りの街並みの映像と相まって、二人の静かだけど強い意志を持った演技が心に残りました