東京は全国に先駆けて梅雨入り、毎日雲が垂れこめるうすら寒い日々が続いています
梅雨の愉しみは紫陽花の花、青や紫、ピンクの花がそこここに咲いて梅雨の鬱陶しい気分を慰めてくれます
特に私が惹きつけられるのは白い紫陽花
(これはカシワバアジサイ)
ものみな薄暗い風情の中で乳白色の輝きを放っています。
ところでアジサイは漢字では「紫陽花」と洒落た字を充てますが、万葉の時代には「味狭藍」とか「安治佐為」と書かれていたそうですね!
味とか安治とか不思議な当て字ですが、当時は「山」を「耶麻」と書くように、言葉にただ音字を充てていたので、字から意味を推察することは難しいです。
平安の頃になると「集真藍」(あづさあい)という漢字で書かれ、「藍色が集まった花」という意味であることがわかります
ウィキペディアのエピソードを読むと、そもそもは唐の詩人白居易がライラックのことを「紫陽花」と書いたのを平安時代の学者源順さんが間違ってアジサイのことと思い用いるようになったとか!
源順さん、よくぞ間違えてくれました
紫陽花の花言葉は色が変化することから、,「移り気」とか「浮気」とあまり良いイメージではありませんが
東京新聞のコラム「筆洗」によれば、万葉集に
「あじさいの八重さくごとくやつ世にを
いませ吾背子見つつしのはむ」
(幾重にも重なり咲くアジサイのように幾世も健勝でお過ごし下さい)
と歌われたように、アジサイには繁栄や富のような良いイメージもあったそうです
アジサイを逆さにつるしておくとお金に不自由しない
(←アジサイがハチの巣に似ていることからハチの巣のような形に似せるために逆さにつるした)なんて迷信?もあったとか
白くこんもり集まった花びらがなんだか黄金のように輝いて見えてきました